今年は早くも流行の兆し?妊娠中、手足口病にかからないためにできること
夏になると乳幼児を中心に流行する病気のひとつである手足口病ですが、今年、2019年は6月3日~9日の間に全国の医療機関から報告された発生件数が、全国で西日本を中心に8823件。これは過去5年間の同時期と比較してかなり多く、都道府県によってはすでに警報が発令された地域もあるそうです。妊婦さんや赤ちゃんのいる家庭は気になるところですね。さて、妊婦さん本人が手足口病にかかってしまった場合は、どうなるのでしょうか。今回は手足口病が妊婦さんに与える影響があるのか、予防法や治療法などについてを解説します。
手足口病とは?
手足口病は、ウイルスに感染して「手」「足」「口」に米粒大の赤い発疹や水疱(水ぶくれ)が発生する感染症のひとつです。日本国内では、5歳以下の子どもを中心に、夏に流行のピークを迎えますが、秋から冬に発生することもあります。
手足口病の原因は?
手足口病の原因となるウイルスは、主にコクサッキーウイルスA6、A16、エンテロウイルス71と言われるウイルスです。これらのウイルスに感染して3~5日後に、発疹や水疱が発生しますが、通常は数日間のうちに治ります。
エンテロウイルスはいわゆる“夏かぜ”の原因となるウイルスであり、夏かぜの代表的な病態のひとつが手足口病です。比較的軽い症状のみで3~7日間のうちに治ることから、日常的に流行しやすく、かかってはいけない特殊な感染症ではありませんが、時に髄膜炎などを引き起こして重症化するケースがあります。
また、原因となるウイルスが1種類ではないため、一度手足口病を経験しても、別のウイルスが原因となって再び手足口病を発症することがあります。しかし、一度感染したウイルスに対しては免疫ができるため、同じ種類のウイルスによって再び発症することはありません。ほとんどは症状の有無に関わらず、子どものときに感染して免疫をつけてきた感染症ですが、今までに感染したことのないウイルスが原因の場合は、大人も感染して手足口病を発症することがあります。
手足口病の原因となるウイルスは、感染した人の咳やくしゃみ、会話中のつばに含まれるウイルスを、別の人が口や鼻から吸い込んで体内へ入り込む飛沫感染、感染した人の皮膚や粘膜に直接触れてウイルスをもらう接触感染、感染した人の便の中に排泄されたウイルスが何かしらの経路で口の中に入る糞口感染で、人から人へ感染します。