「いや、お前かい!」分娩室から車椅子で出てきたのは…夫だった!⇒立ち会い出産でまさかの事態に!?
出産予定日の1カ月前。私は実家に帰っていたので、おしるしが来て陣痛が激しくなった日の夜、夫に連絡をして病院へ行きました。駆けつけた夫をよそに、もう限界な私。すぐに分娩台に乗り、いよいよ出産となりました。しかし、立ち会いしていた「夫」にまさかの事件が起こりました。
初めての出産で夫婦共に緊張
初めての出産に、夫も私もドキドキ。「初めてだから立ち会いをしたい」と言った夫に、恥ずかしいながらも、一緒に闘ってくれる気持ちがうれしかったのを覚えています。
妊娠39週目でおしるしがあり、夜には陣痛も激しくなりました。
ギリギリの意識の中、自宅で待機している夫に連絡し、私は母と一緒に病院へ。夫が来たころにはもう何もしゃべれないほどで、まったく歩くこともできず、助産師さんに分娩台に乗せてもらいました。そして、夫の手を握り、いよいよ出産のときがきました。
立ち会いしていた夫に異変が!?
「もういきみたい! 気持ち悪い! つらい!」。そう思いながら、「息吐くよ〜。息吐いて〜。ふ〜、ふ〜」という助産師さんの声が聞こえます。「ふー! ふー!」。
なんとか吐こうとするものの、うまく吐けません。うまく息も吸えず、とにかく苦しくてつらい。夫も一緒に「頑張れ! ふ〜! ふ〜!」と息を吐き、握る手に力が入りました。
助産師さん、夫、私、みんなで必死に息を吐きます。その後も「ふー! ふー!」と必死に息を吐いていると、いきなり、ぐん! と手が引っ張られました。「え!?」と思っていると、助産師さんの「大丈夫ですか!?」という声が。気づけば、握っていたはずの夫の手がなく、横にいた夫が床に……。なんと夫は、私に合わせて息を吐いているうちに酸欠になり倒れてしまったのです!
今となっては笑い話に
よく血を見て倒れるという話は聞いたことがありましたが、突然のことで衝撃を受けた私。
出産の意識が一度削がれて、夫の心配をしていました。夫は意識はあったので、車椅子で空いていた陣痛室のベッドに運ばれていきました。今だからこそ笑って話せることですが、当時の私は「え!? あの人大丈夫なの!? でも痛い! 産まなきゃ! でもパパは!?」と軽いパニック状態でした。
その後、ひとりで最後まで頑張り、無事に長男が誕生しました。夫はベッドの上で産声を聞いて、「あー、生まれた〜」と安心したそうです。初めての出産でお互いに緊張していて、「妻は息も吐けない、俺がついていなきゃ!」と張り切った結果だったそうです。酸欠で倒れるなんて、息子もびっくりしたことでしょう。
緊張しすぎると誰しもいつもどおりにできないので、何事もリラックスするのが大事なんだなと思いました。
今回はしませんでしたが、次回は分娩室にリラックス効果の音楽を流せないか相談したいと思います。
あとから聞いた話ですが、分娩室の前にいた母たちは夫が倒れた物音を聞いて、私に何かあったのかと慌てたそうです。しかし、車椅子で出てきた夫を見て「いや、お前かい!」みたいな空気になったそうです。
私は夫の名誉のために母には口止めしましたが、義母はいろいろな人に言っているそうで、義実家に行ったときには笑い話になっていました。夫は「もう立ち会いはしないよ!」と言っていました。 とにもかくにも、3人とも無事で本当によかったです。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:かりんとう
1歳児の母。慣れないママ業も2年目に突入し、仕事と育児に追われながらも、息子の成長に毎日感動しています。
監修者・著者:助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。