黄体期はどんな時期?妊娠するとどうなる?基礎体温で高温相がない時は?
PMS症状が重い方では学業や仕事を休まざるを得ないケースもあり、日常生活への影響も大きくなります。気になる症状がある方は、産婦人科に受診をするとよいでしょう。
基礎体温の変化からみる黄体期の異常
正常な基礎体温の変化は低温相と高温相の二相性を示し、高温相が陥落することなく10日以上持続することなどがあげられます。しかし正常な基礎体温の変化が見られない場合、以下のような異常が生じていると考えられます。
■高温相が不安定で10日以内の場合
黄体機能不全が考えられます。本来、排卵後、卵胞は黄体に変化し、プロゲステロンを分泌し体温を上昇させますが、黄体機能不全の場合はプロゲステロンの分泌が不十分なため、高温相を維持できなくなり、不安定になってしまいます。黄体機能不全の原因は明らかになっていませんが、ホルモンの分泌異常や子宮内膜の異常などの要因が関連して起こると考えられています。
■高温相がない
無排卵性月経ということばで聞いたことがあるかもしれませんが、無排卵周期症が考えられます。
無排卵周期症では、ホルモンの分泌異常により卵胞が発育せず、排卵が起こらないため、卵胞が黄体に変化せず、体温の上昇が起こりません。どちらの場合でも、月経様の出血が見られるため、基礎体温を習慣的に測っていない人は、異常に気付きにくいかもしれません。黄体機能不全や無排卵周期症は、不妊の原因にもなりえます。
まとめ
黄体期は排卵期の後から次の月経が始まる前日までの期間のことをいい、基礎体温では高温相にあたります。妊娠していない場合には月経予定日の前日には基礎体温が下がり低温期に入って月経が始まりますが、妊娠している場合は月経予定日を過ぎても高温相が持続します。基礎体温を計測することで、自分の黄体期の有無を確認することができます。黄体期を示す高温相に異常がある場合は、黄体機能不全や無排卵周期症の可能性があり、不妊の原因にもなります。基礎体温は妊娠の可能性や体調の具合を表すひとつの指標になりますので、基礎体温計測が習慣化できるとよいですね。
監修者:医師 産科婦人科福岡医院院長 福岡 正恒 先生
京都大学医学部卒。同大学院修了後、京都大学助手、講師を経て、平成11年より産科婦人科福岡医院院長。京都大学在職中は、婦人科病棟や産科病棟などを担当。またこの間、英国エジンバラ大学・生殖生物学研究所に留学。日本産科婦人科学会・産婦人科専門医,京都大学医学博士