妊娠中に生卵は食べられるの?赤ちゃんのアレルギー予防との関係は?
その他控えたほうがよい生もの
妊娠中は、卵を始め、加熱が不十分な肉類・乳製品は避けましょう。生肉はもちろん、レアステーキ、ユッケ、馬刺し、鶏刺し、生ハム、サラミ、スモークサーモン、生乳、加熱していないチーズなどに感染源となる菌やウイルスが含まれることがあります。
特に注意すべきなのが、トキソプラズマとリステリアです。トキソプラズマは、妊娠中にお母さんが初めて感染することで、おなかの赤ちゃんにも感染し、死産や流産、水頭症、精神運動機能障害などの先天性トキソプラズマ症を起こす可能性があります。リステリアは、妊娠中に感染することで、流産や早産の原因となることがわかっています。
また、食中毒を起こす菌やウイルスは数多く存在します。黄色ブドウ球菌、大腸菌、腸炎ビブリオ、ウェルシュ菌、カンピロバクター、ノロウイルスなど挙げればきりがありません。これらの菌やウイルスの感染を避けるには、手洗いをしっかりおこない、調理場所や調理器具は清潔な状態を保ち、調理の際に食品は十分加熱することが重要になります。
特に夏場は、菌の繁殖が活発になりますので、こまめに調理場所や調理器具の消毒をおこなうようにしましょう。
まとめ
妊娠中に生卵を控えることで、赤ちゃんの卵アレルギーの発症を予防できるわけではないことがわかっています。アレルギーに関する面では問題ありませんが、生卵にはサルモネラ菌が入っている可能性があるため、妊娠中の生卵の摂取は控えておくほうがよいでしょう。生卵以外にも、生の食材は控えておいたほうが安全です。特に、流産や早産、赤ちゃんにさまざまなリスクを残す可能性のあるトキソプラズマやリステリアは、生のお肉や生ハム、加熱されていないチーズなどにも含まれています。そういった食材は避け、十分加熱した食材やメニューにするようにしましょう。また、食中毒の原因となる菌やウイルスを避けるためにも、食品は十分加熱したものを摂取するようにしましょう。
監修者:医師 おおたレディースクリニック院長 太田 篤之 先生
順天堂大学卒後、派遣病院勤務を経て、平成22年より順天堂静岡病院周産期センター准教授就任。
退職後、平成24年8月より祖父の代から続いている「おおたレディースクリニック」院長に就任し現在に至る。