赤ちゃんがおもちゃを取ろうとし始めたら、見守ってあげましょう(前編)
生後4ヵ月ぐらいになると、赤ちゃんは周囲のいろんなものに興味を示し始め、近くにあるおもちゃやおもしろそうなものに手を伸ばし始めます。これは、赤ちゃんの脳を訓練する絶好のチャンスです。どんなふうに対応したらいいのかをチェックしてみましょう。
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おもちゃに手を伸ばして触る行為は、赤ちゃんにとってはハイレベルなこと
おもちゃで遊ぶこともさることながら、この時期の赤ちゃんにとってはおもちゃを取るために手を伸ばすことそのものが脳の訓練になります。おもちゃに手を伸ばしてそれに触るというのは、大人が考えるよりも赤ちゃんにとってはずっと難しいことなのです。
離れたところのおもちゃを取るためには、まず自分の目でおもちゃがある場所を見た上で、そちらの方向に自分の手を動かさねばなりません。しかも、このような情報処理と制御を逐次行いながら目と手を連動させなければならないのですから、かなり高度なことをしようとしているわけです。「おもちゃに手を伸ばしてつかむ」という行為は、そこに何かに興味を持つという意欲が合わさって始まる行動なのです。
おもちゃに手を伸ばすことそのものが訓練になる
ですから、いきなりおもちゃをしっかり取ることはできず、最初は遠くに手を伸ばしすぎたり、方向を間違えて手がずれてしまったりすることもあるでしょう。しかし、そこで周囲の大人が手を伸ばしてしまっては意味がありません。赤ちゃんは脳を訓練するための絶好の試行錯誤の機会を得たのですから、それを取り上げないようにしましょう。
おもちゃを取るというのは簡単な行為に思えますから、周囲の大人からすればじれったくなったり、かわいそうに感じたりして、つい手を貸してしまいがちです。しかし、赤ちゃんは初めて反射ではなく、大脳で制御して行動をしようとしているのです。ここはじっと我慢して見守ってあげましょう。