生まれたばかりの赤ちゃんは、耳はきこえていますが、旋律主体の音楽よりもリズム主体の音楽のほうを理解します。これはリズム主体の音楽がお腹の中にいる間に聞いていたお母さんの鼓動を連想させるからだといわれています。しかし、生後4ヵ月を過ぎるあたりから赤ちゃんは旋律を理解し始めますので、そうなってきたらいわゆる「名曲」の出番です。
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美しい音楽で眠りにつく条件づけを
生後4ヵ月ぐらいになると、赤ちゃんはさまざまな音を聞き分けることができるようになり、またよく接する家族などの声を判別できるようになります。少し離れたところからお母さんが声をかけると、それに反応して首を巡らせ、振り向けるようにもなってきます。
ここまで成長してくると、今まで主にリズム主体の音楽に反応していたものが、音楽の旋律にも理解を示すようになってきます。こうなってきたら、クラシックなどのいわゆる「名曲」を利用して脳に刺激を与え、感情の安定をはかれるようになります。
この時期から名曲などを使って音楽を聴かせると、音感を訓練することができるほか、美しいものへの感受性を育てることもできます。
しかし、せっかく聞かせるのですからただ聞かせてはもったいありません。少し工夫して、目を覚ますときの音楽、おっぱいの時間の音楽、遊ぶ時の音楽、そして眠るときの音楽を決めてみましょう。そうすることで、赤ちゃんはその音楽が鳴り始めると、関連づけられた行動に条件づけた行動を取るようになります。
条件づけというと、パブロフの犬のお話のことを思い浮かべる人もいるでしょう。犬に餌を与えるときにベルを鳴らしながら与えていると、しばらくするとベルの音を聞いただけで唾液を分泌するようになるという実験の話です。
この時期の赤ちゃんは本能的な行動だけでなく、こうした条件づけによる行動ができるまでに成長しています。そして犬とは違い、音楽を音ではなく曲として理解できるまでになっています。
このようにして音楽を用いた条件づけができてくると、赤ちゃんは起きたり寝たりをすんなりとしてくれるようになるという副次効果を得ることもできるのです。