小さい頃は素直だったのに…そう感じたときに思い出してほしいこと

小さい頃は素直だったのに、大きくなるにつれてだんだん親の言うことを聞かなくなってきた…。それはもしかすると、親の気持ちがうまく伝わっていないために、子どもの心が閉じかけている状態なのかもしれません。

目次

・子どもに声をかける前に思い出して欲しい、たった1つのこと
・わが子は「異国から来た大切な取引先」と捉えてみる
・子どもの力を信じる


親の言うことを聞かなくなってきたのはもしかすると、親の気持ちがうまく伝わっていないために、子どもの心が閉じかけている状態なのかも

© Tracy King - Fotolia.com


子どもに声をかける前に思い出して欲しい、たった1つのこと

振り返って考えてほしいことがあります。それは「子どもをちゃんと1人の人間として尊重しているかどうか?」ということ。そういうと「子どもを尊重? 甘やかすってこと?」と誤解されがちなのですが、そうではありません。しつけもろくに行わない「甘やかし」ではなく、子どもの素質そのものを認める「尊重」のすすめなのです。

子どもには小さな頃から好き嫌いや「自分はこうしたい」という意志、人を思いやる気持ちがちゃんと備わっています。それは子どもと生活していく中で実感することが多いでしょう。
それらは「教えたことなんてないのに」と親が首をひねるような、周囲の誰にも似ていないものもあります。生まれつきの子ども独自の人格、とでも考えなければ説明はつきません。生まれたての赤ちゃんをよく、純粋無垢のたとえにすることがありますが、生まれたてとはいえ意志は備わっているので「まっさらで何もない」と捉えるのは、ちょっと違うかもしれません。

わが子は「異国から来た大切な取引先」と捉えてみる

子どもには生まれたときからすでに、1人前の人格があります。そう考えると、子どもの悪いところを直そうとか、自分が思う通りの人間に育てようという試みは無謀であるとわかります。

親ができることはせいぜい、世の中のルールを教えること。そして、子どもの優れたところをみつけて、習い事をさせて伸ばす方法を提供すること、くらいかもしれません。

そこでひとつ、提案したい方法があります。
それは、子どもを「異国から来た大切な取引先」と思って接してみることです。子どもを「異国ですでに成功している1つの完成されたカンパニー」と考えてみましょう。「わが国では家に上がるときは靴を脱ぐのです」と日本の常識を教えつつ(しつけ)、相手の長所をほめたたえながら、わが社に力を貸してほしいと説得(長所をみつけてほめ、やる気を引き出す)します。親は異国の取引先の優れた能力を、わが国(社会)に貢献してもらえるように、橋渡しとなり力を尽くすというイメージです。

すると、子どもは親を「自分の能力を認めてくれている」と理解し、心を開いてくれるようになります。親が困っていれば、普段自分にしてくれているのと同じように、子どもなりに力を貸してくれるようになり、親が自分を叱っても「自分のために言ってくれているのだろう」と理解し、耳をかたむけるようになってくれるのです。


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