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妊娠線ってなに?
妊娠線は皮膚の表面にひびが入ったようになったり、赤や赤紫の筋ができたりすることを指し、正式には線状皮膚萎縮症と言い、肉割れやストレッチマークと呼ばれることもあります。お腹の中の赤ちゃんが大きくなるにつれて、皮膚が急激に引き延ばされることが原因で起こります。
一度できると産後に白くなることがありますが、完全には消えることはありません。
皮膚は、表皮、真皮、皮下組織から成り立っています。表皮には弾力性があり、ある程度伸びることができますが、真皮や皮下組織には弾力性がないため、表皮が引き伸ばされると柔軟に対応することができません。お腹が大きくなり皮膚の表面と真皮、皮下組織が伸びることで裂けた状態となり、亀裂が入る仕組みです。
また妊娠期間中には、表皮の増殖と再生をおさえるはたらきを持つ種類のステロイドホルモンの分泌量が増えるため、肌の再生能力(ターンオーバー)が低下します。スムーズな新陳代謝がしにくくなるため、妊娠線として断裂しやすくなるとも言われています。
妊娠線発生時には痛みなどは起こりませんが、跡になりやすいため、妊娠線ができる前からの予防が大切です。
妊娠線が現れる時期とは
妊娠線は、妊娠中期にあたる妊娠16週~27週目にかけてできやすいと言われています。お腹の赤ちゃんの成長に伴い子宮が大きくなり、それにつられて皮膚が伸びることで起こります。
妊娠線の種類と見分け方
妊娠線はお腹全体や下腹部を中心に、脂肪がつきやすい二の腕や太もも、おしりにできやすい傾向があります。
また妊娠期間中は胸の乳腺が発達するためバストが急激に大きくなりやすく、胸に妊娠線ができやすくなります。
見た目は、波打つ線状のものが多く、同じ方向を向いた状態を基本として現れますが、お腹やおしりに出現する場合は放射状である場合もあります。1本だけできる場合もあれば、数十本単位でできる場合もあります。
そのほか、お腹の真ん中にまっすぐな妊娠線が現れることもあり、これを正中線と言います。
妊娠線の予防と対策
妊娠線予防には、お腹が大きくなり始める前からの保湿ケアが大切です。妊娠線が現れる可能性がある部分やカサつきがある部分に対し、保湿効果のあるクリームやオイルでマッサージを行って表皮の乾燥を防ぎ、肌に柔軟性を与えます。
とは言え妊娠初期にはホルモンの影響で肌荒れを起こしやすくなっている可能性もあるため、保湿製品によるかぶれやかゆみ、湿疹などの異常を感じた場合は使用を控え、様子をみながらケアを行いましょう。
季節によって乾燥しやすい場合は、ボディ用の化粧水で表皮に水分保湿を行ってから、オイルやクリームの油分で蓋をして保湿性を高める工夫を行いましょう。
また、急激な体重増加があった場合にもお腹が大きくなり、皮膚の表面と真皮、皮下組織が伸びて裂け、妊娠線が現れやすくなります。適切な体重コントロールを行い、妊娠線の予防につなげましょう。