卒乳はいつ?ベストな時期と上手に断乳する方法【医師監修】

子どもが1歳を過ぎたあたりから、考えることも多いといわれている卒乳。ママと赤ちゃんにとって大切なスキンシップということもあり、卒乳への決心がつかずにいるママも多いのではないでしょうか。

目次

・卒乳するべき時期は?
・育休明けの復職後はいつ卒乳する?
・卒乳でおこるトラブル対策とは
・スムーズに卒乳するためのポイントは?
・卒乳体験談
・卒乳後もバストラインをキープしたい
・子どもとのお風呂タイムが忙しい…。


卒乳は焦る必要なし!

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とはいえ、いつかは訪れる卒乳の日。卒乳のタイミングや子どもへの伝え方を紹介します。

卒乳はいつ?ベストな時期と上手に断乳する方法【医師監修】医療監修:丸山レディースクリニック院長 丸山正次

産婦人科の家で生まれ、東京の下町で育った。東京医科大学卒業。昭和大学産婦人科学講座入局。その後、同医局の関連病院であり地域の高次医療施設である佐野厚生病院(栃木県佐野市)に産婦人科医長として就任。そのまま27年間医長職を継続し定年時に丸山レディースクリニックを開院。
▼資格
日本産科婦人科学会専門医/日本産婦人科医会母体保護法指定医/日本産科婦人科学会卒後研修指導責任医/日本更年期学会会員/日本東洋医学会会員



卒乳するべき時期は?

仕事復帰や次の妊娠を考えているタイミングなど、ママによって卒乳を考える時期はさまざまです。

赤すぐ総研が発表した「出産・育児に関する実態調査2016」によると、0歳〜2歳までのお子さんを持つ20〜49歳までの既婚女性2303名のうちの8割以上が「1歳未満で卒乳」したと回答したそうです。


■卒乳にはの明確な基準はなし!?


しかし、卒乳を考えるべき時期の明確な基準は設けられていません。産婦人科医の宋美玄氏と小児科医の森戸やすみ氏の共著『産婦人科医ママと小児科医ママの らくちん授乳BOOK』(メタモル出版)によると、子どもがほしがるなら、何歳まであげてもいいそうです。

本著では、WHO(世界保健機関)が2歳までの授乳をすすめていることにも触れたうえで、下記のように述べられています。

子どもが自然にいらないと示す「自然卒乳」まで母乳を続けるというのは悪いことではありません。幼児期までの子どもがお母さんにべったりくっつく、母乳をほしがるというのは自然なことです。

■卒乳を決めるのは赤ちゃんの発育面だけではない


断乳でおこるトラブル対策

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離乳食の開始時期の目安が生後5〜6ヶ月ごろとなっていますが、卒乳時期には明確な定義がされていないようです。発育面だけで基準を設けるのではなく、ママと赤ちゃんの精神面に重きを置かれていることがわかります。

卒乳時期について決める難しさは、周産期医療の専門誌『ペリネイタルケア』で、別の小児科医も言及しています。


卒乳についての基準を設けることはほとんど不可能であり、それぞれの母子というカップルとそれを取り巻く家族内での身体的・心理的・社会的要因が影響し合いながら卒乳の時期が決まってくる。
また、かつては使われていた「断乳」という言葉が、近ごろは「卒乳」に変わりつつあるそう。授乳に対する考え方は、母子手帳の内容の変化からもわかります。

以前の母子手帳には、1歳と1歳6カ月の記録欄に母乳の中止を促すような記載があり、1歳6カ月健診の際にまだ母乳を続けていると「そろそろやめましょう」という指導が行われていました。しかし、その年齢で母乳をやめるべきだという説には医学的な根拠がなく、さらに母乳育児の利点がわかってきたので、2002(平成14)年に、「断乳」という言葉は母子手帳からなくなったのです。

■ママの精神面も考慮


年齢を区切りに卒乳しなくてはいいとはいうものの、ママの体調や精神面によっては、卒乳を決断しなくてはならないこともあるでしょう。

断乳ではママの精神面も考慮

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たとえば、授乳そのものがつらくなってしまったとき。授乳によって気分が落ち込むというママは少なからずいるそうです。


また、次の子どもを妊娠しているため、卒乳を考えているというケースもあるでしょう。体調面に関しては個人によって異なるため、卒乳で悩んだ場合は医師と相談のうえで決めるのがよさそうです。

■卒乳の目安


卒乳の目安となる赤ちゃんのサインに関しても、明確な基準は設けられていません。目安としては、下記の要素があげられるそう。

・離乳食が3回食まで進み、食事から十分な栄養をとれている
・赤ちゃん用のマグなどを使って、母乳・ミルク以外の水分がとれる

卒乳には子どもへの声かけも大切だといわれていることから、ママの話を理解できるようになってからの方がいいともいわれています。

卒乳のタイミング

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■育休明けの復職後はいつ卒乳する?

職場復帰でよく問題になる卒乳ですが、選択肢は大きく分けて以下3つ。

・復職前に卒乳しておく
・母乳育児を続ける
・朝夜のみ授乳


職場復帰後も母乳育児を続けたいママのなかには、搾乳した母乳を冷凍保存して、保育園で冷凍母乳を飲ませてもらうように準備を進めたママもいました。一方、保育園ではミルクを飲ませ、朝と夜のみ授乳するという混合派もいます。

復職前に必ず卒乳する必要はなく、ママが母乳育児を続けたい場合は卒乳を急がず、のんびり母乳育児を楽しむのも選択肢のひとつです。

卒乳でおこるトラブル対策とは

母乳育児をしていると、胸の張りや乳腺炎を経験するママも多いでしょう。卒乳後も同様に悩まされることもあります。乳腺炎になると、乳房がカチカチにかたくなって熱を持ち、痛みを生じることが多いようです。熱や悪寒を併発することもあるといわれています。


胸が熱を持ってしまってつらかったり不快を感じたりするときには、保冷剤などで冷やすと少し楽になるそうです。圧抜き程度に搾乳をするのもいいとか。

ただし、母乳が生成されてしまう可能性もあるので、搾乳しすぎには気をつけましょう。



卒乳に不安がある場合や乳腺炎になってしまった際は、自分が出産した産科や母乳育児外来を設けている産婦人科、助産院に相談するという方法もあります。卒乳後の母乳マッサージを行っているところもあるので、できればトラブル回避のため卒乳前に調べてみることをおすすめします。

スムーズに卒乳するためのポイントは?

卒乳とは、あくまで赤ちゃんの意志で母乳を卒業するという考え方が前提としております。赤ちゃんが自然に母乳を欲しがらなくなるように、ママもうまく気持ちを促し、卒乳をサポートすることが大切になります。


いざ卒乳! 子どもへの伝え方のポイント

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<具体的なママの行動>
・卒乳する日を子どもに予告する
・カレンダーを見せて「この日におっぱいとバイバイするよ」と説明する
・授乳時間を減らし、徐々に授乳回数も減らしていく
・卒乳当日は、好きなおやつやおもちゃを与えたり、体を動かしたりして気を紛らわせる

卒乳は当日になって突然行うのではなく、2週間以上前から声がけをしてあらかじめ伝えておきましょう。

またお腹がすいたり、喉が乾いたりすると、つい母乳が飲みたくなってしまうこともあり、また栄養や水分が不足しないように食事や水分はきちんと摂らせるようにしてください。

ママだけで乗り越えられるか不安な場合は、パパの協力が得られる休日に卒乳の日を設けるようにしましょう。

授乳をやめるのは、子どもにとっては不安でもあります。スキンシップを多くとるようにして、お子さんへ愛情を伝えることを忘れないようにしたいですね。

卒乳を決めるのは赤ちゃんの発育面だけではない

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卒乳体験談のなかには、乳房に絵を描いたり、からしやワサビを塗ったりして子どもが飲めないようにするケースもあります。しかし、子どもがショックを受けてしまう可能性もあるため、やめておいた方が無難のようです。

子どもがどうしてもおっぱいをほしがる場合は、卒乳を中断することも視野に入れましょう。強引に卒乳をすすめると、噛みつきや夜泣きなどの原因になる可能性もあります。

また、卒乳を決意したものの、やっぱりさみしいというママは、まだ卒乳のタイミングではないのかもしれません。どちらかの体調が悪いときにも、卒乳を延期した方がいいでしょう。

卒乳体験談

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卒乳を諦めたからといって、落ちこむ必要はありません。自分と子どもにとってはまだ授乳が必要なのだと考えて、気持ちの準備が整うまで続けるといいでしょう。ママとお子さんにとって無理のない方法で進めてくださいね。


卒乳体験談

▼卒乳ストーリー1:ママの病気から突然の卒乳(卒乳:1歳6ヶ月/女の子)


娘が1歳半過ぎくらいの時に、ひどいインフルエンザに罹ってしまいました。娘にうつしたくないという気持ちと、つらすぎる体調から急遽卒乳を決意! 娘のお世話はパパとおばあちゃんに任せて3日くらい部屋に閉じこもっていました。

娘は3日間のサイクルで慣れたのか、全くおっぱいを欲しがる様子も見せず、私も食欲もなく体調が悪かった為か、母乳がたくさん出て困るといった症状もなく、親子共々とてもスムーズ(?)に卒乳できました。

▼卒乳ストーリー2:カレンダーで意識付け(卒乳:1歳8ヶ月/男の子)


1歳ごろから夜間授乳のみではあったものの寝かしつけにおっぱいを使っていただけにやめるという決断はかなりの決心が必要でした。2ヶ月前からカレンダーを見せて「この日におっぱいバイバイするからね。バイバイ~ってしてみよう」と一緒にカレンダーを指さしてバイバイし、できるだけ毎日寝る前に同じことを繰り返しました。

数日前から自分自身も、この子と”授乳”という二人の特別な時間を 過ごすことがもう終わってしまう寂しさをかみしめ大切に大切に授乳。

いざ当日! 泣くかな叫ぶかなと心配しましたが、絵本を読みながらごろごろし10分で熟睡。2日目は少し泣いたけれど30分、3日目は20分、4日目は10分と日により寝かしつけの時間は異なるものの、「おっぱいバイバイ~」と泣くことは3日間で終了。なんともあっけない卒乳でした。卒乳後はおっぱいと言わずケロっとしています。あの執着はなんだったのでしょう。

一緒にお風呂に入るときも水着の上だけ1ヶ月着用し、おっぱいを思い出せないようにし、洋服もハイネックを着用することで直におっぱいに触れることをさけ、スムーズに卒乳できました。

しかし、卒乳後おっぱいはかなり腫れ、ネットを見ながら自分で圧抜き等試行錯誤したものの治まらず、母乳外来を探しました。しかし、仕事をしている関係もあり受診できず、かなりつらい日々を過ごしました。また、パンパンに腫れた胸がしぼんでいくさまは見ていて悲しく、第二子の卒乳時は母乳外来を早めに受診して、卒乳計画を立てようと思いました。

▼卒乳ストーリー3:添い乳で夜泣きがひどくなったため、卒乳を決意!(卒乳:1歳8ヶ月/男の子)


息子は生後6か月ぐらいから夜泣きがひどく、多いときは1晩で5~6回夜泣きをすることがありました。私も夜に起こされることがだんだんつらくなってきたので、添い乳という技を習得しました。息子が泣いたらすぐにおっぱいを吸わせることで、夜泣きで起こされる感覚がなくなり一旦は安堵しました。

しかし、息子は1歳半をすぎても夜は数回起きて添い乳をするというサイクルを繰り返していました。「これでは夜泣きが続いてしまうのでは…」と思った私は、夜の添い乳をやめ、泣いたらお茶を飲ませるという風に対策を取りました。それから、息子の夜泣きは自然となくなりおっぱいを欲しがることもなくなりました。

■卒乳後もバストラインをキープしたい

上手に卒乳するには

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「妊娠を機に大きくなった胸が、卒乳したらしぼんでしまった」という声をよく聞きます。ほかにも、胸が垂れてしまったり、横に広がってしまったりという悩ましい問題に直面することもあるようです。

卒乳後につけるものや大胸筋を鍛えて美しいバストラインをキープできるようにするものなど、さまざまな種類のブラジャーが販売されています。

バスト用の美容液なども充実しているので、グッズを取り入れて楽しみながら対処したいものです。

卒乳には決まったルールがないため、ママと赤ちゃんにとって納得のいく時期や方法を見つけることが、卒乳成功のための秘訣といえそうです。いつか授乳をいい思い出として振り返られるようになるといいですね。



子どもとのお風呂タイムが忙しい…。

小さい子どもとのお風呂タイム…かなり忙しいですよね。ようやく卒乳を目指してがんばっているママ、自分をもう少し労ってはいかがでしょうか。頑張った自分へ、当分ずっとママだけど卒乳すると少し女性マインドもでてきますよね。そんなあなたにおすすめのシャンプーをご紹介します。

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卒乳はいつ?ベストな時期と上手に断乳する方法【医師監修】
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(出典)
赤すぐ総研「出産・育児に関する実態調査2016」

(参考)
・『産婦人科医ママと小児科医ママの らくちん授乳BOOK』(メタモル出版)
・『ペリネイタルケア』(メディカ出版)2006年7月号

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