住んでいるマンションの不動産会社が主催する任意参加の防災訓練が行われた。
緊急・防災の備えはもちろんのこと、引っ越して間もないので、ご近所さんと顔見知りになりたいという気持ちもあり参加することにした。
風邪気味の妻を部屋に残し息子と開催場所の駐車場まで歩いた。駐車場には任意参加にも関わらず50世帯ぐらいが集まっていて、さらに近所の消防署のご厚意により消防士が来てくれていた。
子ども達は訓練そっちのけで消防車の見学を始めている。
子ども達には「消防車は訓練後にたっぷり見せてもらえるから」と言い聞かせて、いざ訓練開始。
本日の避難訓練の流れは
1、避難場所の確認
2、消火器の使い方
3、倒れている人を見つけた時の対処の仕方
4、AEDの使い方
1.避難場所の確認を終えて2.消火器の使い方の講習が始まった。
消化器は2台しか無いので挙手制で数組限定で順番にやることになった。
恥ずかしい話ですが僕は、消火器もAEDも実際に使った経験が無かったので(小・中学校であったかもしれないが覚えが無い)、この機会に挙手してやってみようと思っていました。
前の人がやる様子を見ながらイメージトレーニングをする。消防士が「次どなたかやってみたい方はいらっしゃいますか?」と言ったので、「よし」と手を上げかけたその時…
コンマ数秒早く息子が挙手。目を輝かせて消火器を見ている。
2歳の頃、消防遊びに熱中していた息子は毎日のようにおもちゃのポンプ車で火事現場に駆けつけて消火活動に勤しんでいた。
消火を終えた帰り道で公園に寄り道して「消防車を停める駐車場がないよ〜」と嘆くシュールな遊びだった。力強く手を挙げる息子の心はもう消防士。
「一緒にやる?」と誘ったら「一人でできる!」と鼻息が荒い。ここで「まだ一人じゃできないよ」と言ってしまうと自尊心を傷つけるかもしれない。
ここは「お父さんもやりたい!」とこちらも子どもになって懇願する。「…ん〜。。。
良いよ!」と何とか了承を得て、目標の三角コーン目がけていざ放水!
消火器から放たれた水は三角コーンを飛び越えて持ち主が不明のBMWに勢いよく浴びせられた。
「ごめんなさい〜!」と叫ぶと周囲から笑い声が聞こえて一安心。
「水だから大丈夫ですよ〜」とどこからか持ち主らしき声も聞こえた。次に3.倒れている人を見つけた時の対処の講習が始まった。
マネキンを相手に発見から119番通報をして救急車を待つ間に心臓マッサージでつなぐという流れを実践する。
消防士は心臓マッサージによる蘇生率の高さ、応急処置の必要性を力説していた。講習とはいえ、隣に子どもがいると緊急事態がとても身近なことのように思えてくる。
参加者のほとんどが子どもを持つ家庭だからか、急に緊張感が増したように感じた。
最後は4.AEDの使い方。
AEDには数種類の仕様があり、今回はフタを開くと電源がONになるタイプのものだった。
ポンプ機能を失った心臓に電気ショックを与えて正常に戻す装置という程度の知識はあるものの、実際に使うには見えないハードルを感じていた。
しかし手順は簡単で、それも全て順番にアナウンスがあるので迷うことは無かった。
当初感じた見えないハードルの正体は人命に関わることで間違った使い方をして失敗するのではないかという恐怖心だった。
それも適切な指導で克服、これならできると思えた。
そして最後はお待ちかねの消防車見学で、入れ代わり立ち代わり子ども達が記念撮影を楽しんだ。
防災訓練は終了。家に戻ると「お母さんも来たら良かったのにね〜」と優越感に浸りながら本日の武勇伝を語っていた。
つづく
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