子ども同士のケンカの原因はさまざまですが、
親のふとした発言がきっかけになることもありえます。子ども同士のけんかに発達したり、さらに意図せずしていじめっこにしないためにも、気をつけたいフレーズを実例とともに紹介します。
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■教材費タダでうらやましい
「子どもとスーパーへ行ったとき、たまたまママ友Cさんに会いました。野菜が高くて大変よね、という話から家計が厳しいなど、よくある世間話に。そのときに『母子家庭は教材費とかタダでうらやましいわ~』なんて不用意な発言をしてしまって…。
それを子どもが聞いていて、Cさんの子に『お金がかからなくていいね』と言っちゃったらしいんです。先生から聞いて、相手の家へ謝りに行きました」(31歳・小学1年生のママ)
子どもは言葉の意味もわからずに、ただ聞いたことをストレートに伝えてしまうことがあります。しかし、それで誰かを傷つけてしまうのは避けたいですよね。
さらにママ自身もその言葉に悪気がなかったとしても、
相手を不快にさせ、さらに偏見を持っていると、とらえられるかもしれません。
さいわい、このことはいじめには発展しなかったそうです。でも、私の友だちのシングルマザーも同様の経験をしたことがあるそう。そのときは子どもがからかわれてしまい、「つらい思いをさせてしまった」と悲しげに話してくれました。
■あのマンション、お金持ちばかりでしょ
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「近所に大きな新築マンションができたとき、ママ友とも話題になりました。チラシによれば設備も最新で、高収入じゃないと住めないような価格。お茶会でも『あのマンション、かなり高級だからお金持ちばかりでしょ』なんて、うらやましがっていました。
それを聞いた息子が、学校で
『Aくんはお金持ちなんだよ!』と言いふらしたそうです。
そのひと言でクラスの中でちょっとした騒ぎに。息子のクラスに、そのマンションへ引っ越してきた子がいたなんて知りませんでした」(32歳・小学4年生のママ)
今回のケースでは、「お金持ちなのに、普通の鉛筆なんか使ってる~」とからかわれたり、「こんな遊びはお金持ちにはつまらないでしょ」と避けられたりしたそうです。
テレビや雑誌などで豪邸を見れば「あんな家に住みたい」、セレブの生活を見て「お金があってうらやましい」と思う…。
それは不思議なことではないのですが、お金持ちといわれることをよろこばない人もいます。また、子どもにとってはからかうネタにもなりやすいので気をつけましょう。
■寂しいだろうから、うちに来るようにいったら?
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「息子の友だちFくんのママは看護師さん。夜勤のときは、パパが帰るまでひとりで過ごすこともあるそうです。
とてもいい子だし、
ひとりはかわいそうだと思って、『ママが働いているとFくんは寂しいだろうからうちに来るようにいったら?』といいました。
私は専業主婦で家にいるし、息子の遊び相手にもなるからいいかな、と思って。
でも、息子はその子のことを
『寂しい子=暗い』と勘違いしてしまったんです。しばらくその子がうちに来ないので聞いてみたら、『暗い子と一緒に遊ぶのはつまらない』と言い出して…。余計なことを言わなければよかったと後悔しました」(36歳・小学3年生のママ)
小さな子がひとりで留守番していると聞けば、同じママとして「できることをしてあげたい」と思うかもしれません。一見、親切そうにみえるけれど、子どもに変な先入観を植え付けることになりかねません。
ましてや相手方にも事情があること。本当に助けになりたいと思うときには、相手から依頼されたときに親同士だけで話し合うほうがいいでしょう。
どれも悪気もなく発しられたフレーズかもしれません。
でも、子どもには意図しない形で伝わってしまうこともあります。またママの心の中にある、
ねたみ、マウンティングといったブラックな感情を子どもが敏感に察することも。
親の会話を子どもは意外と聞いているものです。ママ自身が持つ偏見は、
子どもに連鎖しているかもしれません。
自分の子どもをいじめっこにしないために、子ども同士の友情を壊してしまわないために、十分注意しましょう。そして同時に、自分の心の中にあるブラックな感情の正体をつきとめて、できれば退治してあげてくださいね。
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