■型にはまった教育を受けてきた苦しみ
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楢戸:「
型にはまった教育を受けてきた苦しみ」というものに、みんながそろそろ気がつき始めていると思います。私たちの世代が、心の傷を癒やすことができたのなら、うちの息子のような子も受け入れられていくのではないか? と思うようになってきました。
二次障害(被害)を防ぐためには、まずは母である私自身を癒やさないといけないということですね。
木村:もし、「自分の子どもとママが世界中で二人だけだったら、苦しまなかった」でしょ?
社会の価値観は、化石時代のままなの。だから、ママがこの社会で生きる中、
「何が欠けているか?」という理屈に気がついてほしい。そうしたら、「いまのこの瞬間から、人に求めずに、自分が変わろう」ということを考えられるようになると思います。
楢戸:「息子と自分が世界中で二人だけだったら、苦しまなかった…」本当にそうかもしれません。
■発達障害の子は、ママには異質!?
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木村:いまだに過去を引きずっている。いまの
日本は大間違い。小学校によっては、子どもは分けられて、発達障害の子は別室に連れていかれてしまう。このことは、教室に残される子にとっても、ハタ迷惑な話なの。
楢戸:でも、「枠からハミ出てしまっている子」は、大多数のママたちにとって、迷惑な話ではないんでしょうか?
木村:冷静に考えてみて。大人が出している「あの子がいると、迷惑よ」という
空気を吸っている子どもは、めちゃくちゃ不幸でしょ。そんなことは、ママさんたちもわかっているんじゃないのかしら。
楢戸:でも、木村先生。
ママさんたちはわかっていないんじゃないかと思います。大多数のママたちにとって、「枠からハミ出てしまう子(発達障害の子)」と、「普通の子であるわが子」が
一緒に育つ良さについて、よく理解していないということを前提に、話をしていただけませんか?
次回は、「普通の子が評価される時代。個性的な子どもは「まとも」じゃないの?」 です。
■【木村先生がママたちに伝えたい20のこと】
12. 親が自分の子どもを
丸ごと受け入れて信じてあげて!
13. ママがこの社会で「何が欠けているか?」という理屈に気がついたら、いまのこの瞬間から、人に求めずに、
自分が変わろう
14. 大人が出している「あの子がいると、迷惑よ」という空気を吸っている子どもは、めちゃくちゃ
不幸なの
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■今回取材にご協力いただいた木村 泰子先生の著書
『
不登校ゼロ、モンスターペアレンツゼロの小学校が育てる 21世紀を生きる力』
木村 泰子,出口 汪/ 水王舎 ¥1,400(税別)
木村 泰子先生プロフィール
大阪市出身。大阪市立大空小学校初代校長として、「みんながつくるみんなの学校」を合い言葉に、すべての子どもを多方面から見つめながら、全教職員のチーム力で「すべての子どもの学習権を保障する学校をつくる」ことに情熱を注ぐ。その取り組みを描いたドキュメンタリー映画『みんなの学校』が話題に。2015年に退職後、現在は、全国各地で講演活動を行っている。
「上手だね」はNG! 自由な発想と創造力のある子がAI時代に強いわけ