つい怒鳴ってしまうママに伝えたい。『怒鳴らない子育て教室』で学んだ大事なこと
■育児の悩みに共感してくれる
こうした講義を経て、Hさんが学んだのは「怒鳴っても何も解決しない」ということでした。
「私はいままで、自分の感情を娘にぶつけていただけなんだと気づきました。『なんでママのいうことを聞いてくれないの』といっても、娘はなんで怒られているかわかっていないのだから意味がないんですよね。怒鳴った後には自己嫌悪に陥るし、いいことなんて何もありません。
まだ怒鳴ってしまうことはありますが、そのときは
『ごめんね』と謝って娘を抱きしめています。こうすることで気持ちが落ち着くし、私がなぜ怒ってしまったのか娘も考えるようになったみたいです」
ほかにも、怒鳴らない子育て教室の経験者であるRさん(4歳児のママ)に話を聞くと、「しつけの具体策だけでなく、講師が育児の悩みを聞いてくれるのがよかった」といいます。
「話を聞いてもらうだけでも、すごく楽になれました。お母さんも頑張ってるよねと共感してくれるし、何より『親だからって完璧な人にならなくていい』といってもらえたのがうれしかったです。
怒鳴ることはすぐにはやめられなかったけれど、それを否定するのではなく、『今までよりも怒鳴る回数が減ったのだから大丈夫』といわれて、思わず泣いてしまいました」
また、「怒鳴ってしまうのは、自分だけが育児をしているという思いがあったからかもしれない」と感じたRさんは、夫とも子育てについて話し合うようにしたそう。
教室に通っていることを知らなかったRさんの夫は、驚くと同時に家のことを任せっぱなしだったことを反省し、娘とも積極的にコミュニケーションを取るようになったそうです。
Rさんは教室に通い、「ノウハウ的なことを学べたことよりも、
悩みを共感してくれる相手がいたことのほうが大きかった」といいます。講師だけでなく、同じ悩みを抱えたママがいるとわかっただけでも、心の負担が軽くなったと感じたそうです。
怒鳴らない子育て教室は、自治体によって違う名称を使っている場合もあるようです。「もう子どもに怒鳴りたくない」と思ったときには、住まいの自治体に問い合わせてみるといいかもしれません。
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