私たちは離婚したから子育てのパートナーになれた【新米ママ歴14年 紫原明子の家族日記 第34話】
飲みの席で、「Tさん、その世代では珍しいくらいの子煩悩パパですね!」と称された知人が言う。
「そりゃあさ、離婚してるからだと思うよ。子どもたちと一緒に住んでないからこそ、子どもや別れた妻のためにできることを考えられるようになったの」
50代のTさんの語るこの状況、属性でいえば別れた妻側である私にも身に覚えがある。離婚してからようやく、私と元夫は子育てのパートナーになれたと思う。ラッキーなことに、そうしょっちゅうは出くわさない程度に近くに住んでいるし、お互いの職場も近いので、どうしても夜や休日の外出ごとが続くときには「お願い!」と頼み込めば父親の方が食事などの面倒を見てくれる。
決して暇な人ではないけれど、どうしようもないときには自身の打ち合わせや会食に子どもを同席させたり、職場に呼んだりして、かなり柔軟に対応してくれる。
思えばまだ結婚していた頃、同じように「お願い!」を言っても「無理だよ」「仕事だから」で協力してもらえないことが圧倒的に多かった。もちろん、必ずしも元夫にばかり非があったわけではなく、私の方にだって少なからず甘えがあったのも事実だ。
必ずしも緊急性がない協力要請だって出していた。日ごろから私の方が圧倒的に我慢させられているんだから、少しくらい助けてくれて当然、と思っていたし、そんな風に蓄積された鬱憤が色々な場面で災いして、最後のほうでは、肝心なときの助け合いすらままならなかった。
離婚してからというもの、そういうものが全てリセットされて、途端に親同士の歯車がうまく噛み合うようになった。
彼は金銭的な面から子どもたちの養育を支え、私は一緒に暮らして生活の世話をする。役割が明確になると、元夫の父親としての貢献に、心から感謝できるようにもなった。おそらく元夫の方も同じように、母親である私の貢献を当たり前のものと思わず、感謝してくれていると思う。だからこその今があるのだろう。
誤解を恐れずに言えば、父親と母親という役割を維持しながら、夫婦ではない状態となる、つまり親の離婚は、子どもにとっても必ずしも悪いことばかりじゃないようにも思える。
というのも、親が家の中と外にいる、という状況は、子どもにとっては、家の中と外、2箇所に、自分の強力な味方となってくれる大人がいるということなのだ。
先日、元夫の提案で、夏休み中の娘、夢見を沖縄のサマーキャンプに参加させることになった。急に決まって慌てる私をよそに、細やかにサポートしてくれたのは元夫の友人A氏であった。自分の子どもを参加させるついでだからと、申し込みから飛行機の予約、空港までの送迎にいたるまでほとんど全部やってくれた。
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