2017年12月14日 18:00|ウーマンエキサイト

2020年の大学入試改革までに、親が知っておくべきこと【尾木ママ×茂木先生対談「偏差値教育の大問題」 Vol.3】


■お父さんの教育観、お母さんの教育観

茂木:昔はお父さんお母さんに、学校が偏差値とか言っていたって、そんなのうちは関係ない! っていう強さがあった。

尾木:それぞれの家庭が生活に根ざした独自の伝統的な価値観を持っていたんですよね。いまは、まるで逆です。学校の価値観の中に同心円状に各家庭がストンとはまってしまっている。むしろ、家庭の方が求めている。

茂木:昔の人の伝記を読んでいると、お父さんの教育観、お母さんの教育観とかがすごく感じられますよね。本当はそこがすごく大事なのかもしれない。教育再生には。


■ブレない親の「個」教育が個性を伸ばす

2020年の大学入試改革までに、親が知っておくべきこと【尾木ママ×茂木先生対談「偏差値教育の大問題」 Vol.3】

© Tom Wang - stock.adobe.com


尾木:内心ではみなさんそれぞれに結構思っていることがあっても、なかなか言い出せないだけなのかもしれないですね。

茂木:それを、どんどん、言っていけばいいんじゃないのかな。僕が見ていると、意外と、強い親に育てられた子どもって大丈夫な子どもが多い気がします。

尾木:たしかにその通りだと思います。子どもの個性―すぐれた面も気になるところも、かくれた才能も含めて―を一番的確につかんでいるのは、何といっても親御さんなんですから。

すべての子どもたちが、本当に伸び伸びと自分の持ち味を生かしながらどこまでも成長していくためには、「個別」教育が最適ですよね。個性を伸ばそう、寄り添って成長をサポートしよう、そういう発想と姿勢を意識的に強く持たないと、一斉主義や集団的指導・教育の甘言にまどわされ、巻き込まれてしまうように感じています。


■「挑戦する脳」を作るためにママができること

尾木:2020年には、大学入試改革を中心に据えた抜本的な教育改革が行われます。戦後7度目の改革ながら、ここまで大がかりな改革は初めて。でも、そこまでしなければならないほど、日本の教育はどうにもならない状況に来ているのです。

茂木:まずは、ママたちが『当たり前』や『常識』をうのみにせず、自分のフィルターを一度通して考えてみることです。それは自分自身の思考や感覚に対する肯定でもあります。


いかがでしたか? 「挑戦する脳」を作るために、いま、ママができること。それは、まずママ自身が、あふれる情報や「常識」を妄信せず、自分の頭で考えてみることのように私は感じました。
■今回取材にご協力頂いた“尾木ママ”こと尾木直樹さんと、脳科学者の茂木健一郎さんの共著
『教育とは何?-日本のエリートはニセモノか』(中公新書クラレ)尾木直樹 著 茂木健一郎
『教育とは何?-日本のエリートはニセモノか』
(中公新書ラクレ)
尾木直樹 著 茂木健一郎 /中央公論新社 ¥780(税別)

尾木直樹さん プロフィール
“尾木ママ”の愛称で親しまれる教育評論家、法政大学特任教授。
「子育てと教育は“愛とロマン”」をモットーに、22年間中学・高校でユニークで創造的な教育実践を展開。その後大学教員に転身して22年、合計44年間教壇に立つ。現在は講演会活動、メディア出演、執筆活動など幅広く活躍中
尾木ママ オフィシャルブログ:http://ameblo.jp/oginaoki/

茂木健一郎さん プロフィール
脳科学者、作家、ブロードキャスター。東京大学理学部、法学部卒業後、ケンブリッジ大学を経てソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。「一リットルの脳の中に、現実も、夢も、宇宙も、すべてある」と。
茂木健一郎 オフィシャルブログ:https://lineblog.me/mogikenichiro/?p=5

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