「メンバーの一人がスーパーでレジのアルバイトをしている時、赤ちゃんを抱っこした女性のお客さんがお会計を済ませようとしていたところ、赤ちゃんが大きな声で泣き出してしまったそうなんです。お客さんは、赤ちゃんをあやしながらもお会計をしなければならず困っていて。
そしたら後ろのお客さんがお母さんに『早くして』と急かしていて、悲しいなと思ったのと同時に、「ゆっくりでいいですよ」、そう伝えたかったけど、その時は何もできなかったそうです。その話を聞いて、メンバーで何か赤ちゃんのためにできることをしたいねって話し合ったんです」。
友人の本間朱莉さんから聞いたエピソードを話してくれたのは、北海道旭川商業高等学校に在籍する塚原眞由さん(17歳)。
3人1組で行う学校の課題研究の授業で、本間さんの体験をきっかけに、赤ちゃんのためにできることを探していたところ「WEラブ赤ちゃん」プロジェクトを発見。旭川でも広めたいという連絡を、発案者の紫原明子さんとウーマンエキサイト宛に頂きました。
メンバーは、塚原眞由さん、本間朱莉さん、水野里咲さんの3人。
進路が決まった3人の高校生活最後の課題研究です。
自分たちが母親になった時を想像してみた
どんなことをするのか、1から考え始めた3人がまずしてみたのは、自分たちが母親になる時を想像すること。
赤ちゃんを抱っこして買い物をしたり、バスや電車に乗ったり…。“狭い環境で赤ちゃんに泣かれてしまったらどうしよう”。そんな気持ちが頭をよぎったそうです。
発案者の紫原さんに企画書を作ってみてはどうかと提案され、慣れない企画書作りにも挑戦してくれました。
そして、完成し送られてきた企画書のファックスがこちら。
「氷点下41度でもあたたかい街」。
そんな素敵なコンセプトが完成しました。
■限られた時間の中で街頭インタビューも
街の声を聞くために、授業中の限られた時間の中でインタビューにも出かけてくれました。
「20人くらいの方にお話を聞きました。はじめはママたちにWEラブ赤ちゃんプロジェクトをどう思うか聞いてみたところ、ほとんどのママが『泣いてもいいよと言ってもらえるとありがたい』『子どもが成長したから今は大丈夫』『周りに迷惑を掛けてしまうという不安から、子どもを連れて歩くのが難しい』と控えめなコメントが多かったんです。途中から、ママにどう思うか聞くのではなくて、ママ以外の人に聞かなきゃダメなんだと気づきました」と塚原さんは話します。
そこで、バスを利用する女性に話を聞くと「泣いている赤ちゃんを焦ってあやすお母さんに遭遇したことがある。自分は泣いてもいいよと思っているけど、周りの目もあるから言えないのよね」と話してくれたそう。また、ある男子学生は「赤ちゃんを泣き止ませてあげたいと思う気持ちはあるけど、恥ずかしくて行動に移せない」と複雑な思いを話してくれたそうです。
予期せぬタイミングで泣いてしまうこともある小さな赤ちゃん。わが子を泣きやますことのできないママたちが周囲に申し訳ないと思って居るのに対し、周囲の人たちは「大丈夫だよ」と声を出して応援したいけれど、周囲の目もあってなかなか大きな声で言えないでいる。そんな構図に気づいたそうです。
■旭川の言葉で「泣いてもいいよ!」を広めたい
せっかく旭川で広めるならば、とすでにプロジェクトに賛同した三重県が「泣いてもええんやに!」という方言とともにWEラブ赤ちゃんプロジェクトを広めていたのを参考に、3人も日ごろ使っている方言を使った「泣いてもいいべさ~」という吹き出しのポスターを作りたいと思い、制作することに。「泣いてもいいべさ~」は「泣いてもいいよね、仕方ないよね」そんなニュアンスが含まれていると言います。
普段から授業で画像の加工ツールなどを使っていたこともあり、ウーマンエキサイトの許可の元、吹き出しのデザインを自分たちで修正し、旭川限定のオリジナルポスターを作ってくれました。
■卒業最後にあじわえた達成感
完成したポスターは、事前に許可を取ってくれた商業施設などに貼る予定とのこと。クラスメイトからも「かわいい」と好評だそうです。
「実際にポスターを作り、自分たちが想像したものが形になったら、とても達成感がありました」と塚原さん。
WEラブ赤ちゃんプロジェクトを運営するウーマンエキサイト編集部も、塚原さんから送られてきた写真にとても温かい気持ちになりました。
写真左から=水野里咲さん、塚原眞由さん、本間朱莉さん
塚原さん、本間さん、水野さん、「WEラブ赤ちゃん」プロジェクトを応援してくださって、本当にありがとうございました!
※今回の取り組みはウーマンエキサイトの許可のもと、特別に旭川版のポスターを制作して頂きました。通常イラストデータを無断で利用し、変更することはご遠慮頂いております
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