「保育園に落ちた」退職しないといけないから怒るんじゃない ママの真意
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「保育園落ちた日本死ね」というセンセーショナルなタイトルのブログが話題になって2年。今年もSNS上には、保育園に落ちた親達の悲痛な訴えがあふれています。そして、この記事を書いているわたしも、保育園に落ちた親のひとり。
以前、プラカードを持った親達が怒っていた風景に「こんな風に怒るなんて」と、人ごとのように考えていましたが、今思えば考え足らずでした。実際に保留(不承諾)通知を見たときは途方に暮れました。
そして、自分が「保育園に落ちた」待機児童問題の当事者になって初めて分かったことは、単に働けないことに怒りを覚えているわけではないということ。
怒る理由の真意は、
「わが子は、保育園に入れた子のように集団生活を送ることなく、母とだけ過ごしていて大丈夫だろうか」「この子を夫婦だけの力で育てていけるだろうか」「この先、子どものために充分な環境を与えてあげられるだろうか?」という不安が、怒りに変わっていくということでした。
■「保育園に落ちた」親の実際の声
わたしたち夫婦は、共にフリーランスのため、そもそも認可保育園に子どもを入れるのは望み薄だろうと思っていました。
それでも、認可園や認証園など10ヶ所ほどの保育所を見学。子どもセンターの窓口へも相談に行きました。しかし結果は内定に至らず……。なにかもっと特別な保活をするべきだったのかと、後悔もしました。
「#保育園に入りたい」には、わたしと同じような人の声がたくさん集まっています。
保育園に入れた人って、何か特別な活動したのかな。保活って、一体なにするべきだったんだろ。通園できる範囲なんて限られてるから、圏内の園を見学するくらいしか、できることなくない…? 加点表は見たけど、努力して点数が増えるようなものではないし。
区役所に電話したら、私の業務がポイント0だと。これが一番のショック。フリーって月によって業務にバラツキがある。だから就労報告も6ヶ月分つけた。でも見るのは直近3ヶ月のみ。会社員用の仕組みなんですね、結局。
働いているから子どもを生み育てられる。良い教育環境を整えられる。
子育ては20年続くんだ。最初の1、2年で収入源を失うわけにはいかない。子供の将来のために必死になっていることを「親のエゴ」の一言で片付けられたくない。
(Twitterより一部引用)
■20年経っても解消しない待機児童問題
しかし、子どもの数は少なくなっているはずなのに、なぜ待機児童問題が解決していかないのでしょうか? 保育園や保育士不足、自治体の予算不足など、さまざまな理由があるにしても、状況はひどくなっているような気すらします。
待機児童の問題が顕在化したのは、専業主婦世帯を共働き世帯が上回った1997年代始めのころ。もう20年以上にもわたって待機児童問題は存在しているのです。
これまで、どれだけの親が職を失い、希望するライフスタイルを変えざるを得なかったのか。何かできることはないのでしょうか。