連載記事:“生まれ順”で子育てまるわかり!
末子はどんな性格?甘え上手でなぜか厳しくできない【“生まれ順”で子育てまるわかり! 第3回】
■積極的に外の集団に出して、トップの役割を経験させよう
―― まさに、私の周囲にも「まる子」のような気質の末っ子に、どう接していいのか悩んでいるお母さんがいました。子どもは3人なんですが「私もパパもどうしても末っ子には厳しくできない」と。
五百田さん:3人も子どもを育てて、お母さんもお父さんも、もう子育てに飽きているんだと思いますよ(笑)。子どもにいろいろ言ってもきかないことがわかり、いい意味であきらめているのでしょう。こうなると家庭ではなかなか対処が難しいので、積極的に家庭以外の集団に入れてみてはどうでしょうか?
例えば、厳しいスポーツクラブや習い事に参加させて、強そうな同級生に負けるなどという経験を積み重ねることで、調子の良さだけでは逃げ切れないことを身をもって知ってもらうとか。逆に、集団の中で自分がトップになる、一番上になるような経験をさせるのも良いでしょう。
家庭内でも、何か責任のあるお手伝いを任せたり、「もう来年は小学生になるんだよ」などと、お兄ちゃんお姉ちゃんになることを意識させるのもおすすめです。…で、きっと、この相談者のお母さんは「末子」でありませんね?
―― またしても正解です! 相談者のお母さんは「長子」です。生真面目な「長子」は、「末子」の調子の良さにモヤモヤしつつも、なかなか厳しくはできないのでしょうね。
五百田さん:ちなみに、私は3人きょうだいの「末子」なので、相談者のお母さんの「末子」のことがよくわかります。もう、こういう甘えん坊「末子」は、早い段階で厳しい集団に放り込んだらいいんですよ(笑)。
―― 私も3人きょうだいの「末子」なので、本当にそう思います(笑)。さて、そんなお調子者の「末子」のやる気を引き出す、効果的なほめ言葉はありますか?
五百田さん:「すごい!」「上手!」「頭良い!」です。子どもの頃からほめられ慣れている「末子」は、凝った言い回しよりストレートにノリ良くほめることが心に刺さります。
ⓒmaroke-stock.adobe.com
―― 逆に、叱る時はどうでしょう?
五百田さん:「末子」に刺さるのは、「次から気をつけて」という言葉です。「起きてしまったことは仕方がないけど、この失敗から学びなさい」というメッセージが、要領の良い「末子」には効果があります。
逆に、効果がないのは、きつい言葉でガツンと叱ること。のらりくらりとうまくかわして逃げてしまう「末子」にはあまり効果がありません。
親の無条件の愛に包まれ、アイドルのように育つ「末子」。親が厳しく接するのは、ほぼ無理ともいえるポジションなので、早くに外の集団に出して、いろいろもまれて育つのが良さそうです。
次回は、3人以上のきょうだいの真ん中である「中間子」についてうかがいいます。
取材・文/まちとこ出版社N
小2息子からのSOS?過剰な手洗い、イライラ、立ち歩き…通常学級の担任に配慮を言い出せず