日々、何となく公園に行って子どもの外遊びに付き合っているというママやパパは多いのではないでしょうか。子どもとどのようにかかわっていけばいいかわかれば、もっと外遊びの時間は楽しくなるかもしれません。
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外遊びが子どもの発達にもたらす効果について聞いた前回に引き続き、今回は外遊びにおいて「親がすべきこと、してはいけないこと」について、東京成徳大学の石崎一記教授にお話を伺います。
■親の役割の8割は外遊びの環境を整えること
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――前回、外遊びで子どもたちの発達に与える影響についてお話を伺いましたが、親のかかわり方について教えてください。
外遊びにおいて親の一番重要な役割は、子どもたちが安全に外遊びの良さを味わえるような
環境を整えてあげることなんです。それで、もう親のすべきことの8割ほどは終わったと言ってもいいくらいです。
外遊びをする環境というのも、特別なものではなくて、普段からよく行く近所の公園や庭があれば、そこでもまったく問題はありません。何よりもまず安全に遊べること、そしてできれば前回お話したような4つのポイント(感覚が豊かになる、試行錯誤ができる、達成感や満足感を得られる、命のつながりを学べる)が抑えられているとなおいいと思います。
■外遊びで親にしてほしいこと
――では、具体的に親はどのようなことをすべきなのでしょうか?
“すべき”というよりも、“できたらいい”くらいに考えてもらいたいのですが、まずは
子どもに共感すること。子どもが「お花だ、キレイだね!」と言ったら、「そうだね」と言って一緒に見てあげたら、それだけでも子どもは安心できます。
さらに、共感するだけでなく、一緒にするというのもいいと思います。
たとえばスケッチブックを持参して、子どもだけに書かせるのではなく、ママやパパも一緒に隣で描いてみるのもいいですよね。一緒にした経験というのは、親子にとってスペシャルな思い出になるし、親にとっても新しい発見があるはずです。
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そして、外遊びのときは子どもの実感を大切にしてあげてください。親が目標を決めてしまったり、見たらどうする、聞いたらどうすると先を見過ぎたりしない方がいいでしょう。
見るために見る、聞くために聞くのだと考えて、結果を求めすぎないことが大切です。
――子どもの実感をシンプルに受け止めてあげることが大切なんですね。ほかにも親ができることはあるのでしょうか?
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思い切り試行錯誤させてあげてほしいですね。何かうまくいかないことがあっても、すぐに失敗だと決めつけずに、子どもたちが
失敗から学ぶことは何だろうという考え方をしてもらいたいです。たとえば、子どもがよそ見していて溝に落ちて泥だらけになってしまった場合、「もう! 泥だらけじゃない! どうするの!?」と怒らずに、そこから子どもたちが何を学んだのか、体験から何を得たのか考えてみてください。
そのために親ができることは、
失敗したときの手立てを考えること。汚れては困るような服や靴を履かせない、着替えを持って行くなど、きちんと準備をしておくと、余裕を持って子どもとかかわり、思い切り試行錯誤させてあげられると思います。
■なぜ子どもたちの気持ちを代弁することが大切?
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――では、子どもたちに対して、親はどのような言葉かけをすればいいでしょうか?
子どもの気持ちを代弁してあげるような言葉かけをしてもらいたいですね。親は、つい「できたかできていないか」で褒めたり叱ったりしてしまい、大人の基準で良いか悪いかを判断してしまいがちです。子どもが喜んでいるときに「うれしいね」、子どもができないときは「悔しいね」と言ってあげられるといいでしょう。
子どもたちは自分の気持ちを自覚しにくいため、
感情を言葉で表現するのが苦手です。気持ちを代弁してもらうことで、親が自分の気持ちを理解してくれていることに気づき、そして自分の気持ちにも自覚できるようになります。