連載記事:水の事故から子どもを守る!
水の事故から命を守るためにライフジャケット以外に必要なモノとは【水の事故から子どもを守る! 第2回】
夏になると川や海など水辺での遊びが増えるため、水の事故への予防策が必要になってきます。しかし、何から始めればいいのかわからないという人も多いかもしれません。
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子どもが遭いやすい水の事故について伺った前回に引き続き、今回は、子どもたちを水の事故に遭わせないための予防策について、水難学会会長で長岡技術科学大学・大学院の斎藤秀俊教授に話を聞きました。
■水遊びで必要なものとは
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――水の事故の予防のためにはどんな服装をすればいいのですか。
砂浜でも川でも、水辺に行くときは
ライフジャケットを着るのが一番です。溺れたときには体を浮かせて呼吸を確保することが重要となりますが、ライフジャケットであれば、着ているだけでそれができるので、ぜひ着せるようにしてください。
また、大切なのは
靴を履いておくことです。溺れてしまったときに、靴やサンダルの浮力が体を浮かす助けになります。普通のサンダル、ビーチサンダルでもそうした効果が期待できるので、もし溺れてしまっても靴は絶対に脱がないよう子どもに伝えてください。
――ライフジャケットを着る目安はありますか。
できればどんなに浅い水辺でも、ライフジャケットを着てもらいたいです。
スポーツ用品店に行くと、いろいろな種類のものがあり、安く買えるものあります。とくに、浮くことが難しい小さな子どもたちには、できるだけ着せてもらいたいですね。
■海と川で異なる予防法
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――海では危険な波以外にも、注意すべきこととは何でしょうか。
子どもを浮き具に乗らせてそのままにしていたら、あっという間に沖に流されてしまうことがあります。大人が浮き具の紐を持っておく、側に付き添うなどしてしっかりと見ているようにしましょう。
地面が冷えてきて海水の温度が高くなる夕方の時間帯は、陸から海に向かって風が流れ始めます。夕方になって肌寒くなってきたら、できるだけ早く上がりましょう。また、波が荒いかなと思ったら、
波打ち際でも近づかないことが大切です。
――川では、どのようなことに気を付ければいいですか。
そこまで大きくない川でも、大きな岩の下流や橋脚の周辺などは、浅いところから急に深くなることがよくあります。そうした川の構造について、しっかりと親子で認識して、足元に注意することが大切です。
また、水かさや水の流れの速さが普段と違わないかきちんと確認して、
天候の悪いときは川に近づかないことが重要ですね。