2018年9月4日 08:00|ウーマンエキサイト

つわりの原因って何? つらいときの対処法と対策を紹介【ママ女医HALの子育て日和 第1話】

ママ女医HALの子育て日和

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Twitterでも人気! 内科医で子育て中の相川晴(HAL)さんが、ご自身の妊娠・出産・育児の日々の体験から、医学的なエビデンスを交えて女性の健康・育児情報などをつづります。

妊娠初期、赤ちゃんがようやく見え始めた頃……つわりがスタートして苦労している方も多いのではないでしょうか。今回は、そんなつわりの原因と対策について簡単にお話します。
つわりの原因って何? つらいときの対処法と対策を紹介【ママ女医HALの子育て日和 第1話】

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この記事の著者つわりの原因って何? つらいときの対処法と対策を紹介【ママ女医HALの子育て日和 第1話】
■相川晴(HAL)

内科医。研修中にうつ病を発症し、数年間の療養生活を経て復帰。病気の間支えてくれた医師の男性と結婚。某地方都市で夫、4歳の娘と暮らす。自身の出産・育児の日々をもとに、医学的なエビデンスを交えて女性の健康・育児情報などをブログやTwitter、連載コラムで発信中
https://twitter.com/halproject00


■つわりの症状は? なぜつわりって起こるの?

さて、この妊婦さんの80%程度が経験するというつわり、実は原因がはっきりしていません。

ざっくりというなら、赤ちゃんがお腹の中にできたことにより、妊娠を維持するために体の中のホルモンバランスなどが大きく変化します。この変化にお母さんの身体がついていかない(適応が間に合わない)ことによって起こる、と考えてもらえたらと思います。

原因が単純に一つではないからなのでしょう、症状も様々です。
ほぼ症状がない方もいれば、一日中吐き気や嘔吐で苦しむ方もいます。中でも嘔吐などの消化器症状が悪化し、食事の摂取が著しく困難になり、脱水と飢餓状態で全身状態が悪化した場合「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と呼ばれる状態になり、積極的な治療が必要になります。

■つわりがつらい時の対策は?

症状が多岐にわたるので、対策も難しいのですが、いくつかおすすめできる対策をピックアップしてご紹介します。


▼少量頻回の食事


一度に食べる量は少なくし、その代わり回数を増やす、という食事方法です。正直なところ、なにも食べたくない……と感じる方も多いと思いますが、空腹はつわりの症状を悪化させやすいので、食べれそうなもの(おえっとならないもの)を少しでいいのでお腹に入れてみてください。具体的には、朝昼晩の食事は少し軽めにし、食事と食事の間や、朝起きてすぐ、寝る前などに少量の固形物を摂取するようにしてみてください。

▼食べられるものを食べる、飲めるものを飲む


人によって食べられるものは違います。比較的、酸っぱいもの、冷たいもの、匂いの強くないものが食べやすい人が多いです。あなたが食べられそうなものを試してください。栄養バランスは二の次で大丈夫です。
水分補給は重要です。
飲めそうなものを色々試してみてください。あまりに飲食ができない場合は経口補水液を使うのもよいと思います。

▼休める限り休む


精神的にも身体的にも、疲労はつわりを悪化させます。休めそうなら休みましょう。吐き気の強い方は、ソファなどで上半身を少しあげて休むのも一つの手です。


▼つらかったら主治医に相談する


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「この程度の症状で相談したら、弱い妊婦だって思われるかも……」
と相談を控える方がいらっしゃいますが、ぜひ相談してください。つわりに効く薬はない、と思っている方もいらっしゃいますが、(もちろんむやみに薬を使う必要はありませんが)手はあります。
日本や海外でもよく使われている吐き気どめもありますし、漢方薬を使用する事もあります。ピリドキシン(ビタミンB6)もつわりの症状緩和の効果があります。他にも便秘の症状があれば、そちらの治療もします。

一番心配なのは、妊娠初期という胎児への影響が大きい時期に薬を使って大丈夫か、という部分と思います。確かに妊娠初期は赤ちゃんの様々な器官を作る大切な時期なので、薬の使用には慎重になる必要があります。しかし、吐き気どめの薬を含め、これまでの研究で赤ちゃんへの悪影響はほぼないと考えられているものもあります。
不安な事も含めてご相談ください。
またつわりの症状がひどく、飲めない、食べれない、飲んでも食べてもほとんど吐く、といった脱水や飢餓の状態があれば点滴やビタミンを補給してあげる必要もでてきます。とにかく「辛かったら相談」です。

■つわりの時期は、いつからいつまで?

つわりは個人差がありますが、妊娠12〜16週には終わる方が多いです。終わりがなく感じるつわりの時期、私も何度「つわり いつ終わる」「つわり ピーク いつ」と検索したかわかりません……いや、医学的な知識としては知っているんですよ。でも本当に終わりがみえなくて……
辛いのは、周囲につわりの辛さを理解してもらえないこと。それから、「つわりは誰でもなるし、どうしようもない」と対策自体がないように感じてしまう事にもあると思います。
上述したように、対策はあります。
症状をゼロにはできなくても、軽くすることができます。医療者も手伝います、困ったら相談してください。つらいことを教えてください。

■私のつわり体験談

実は私、今現在つわりで苦しんでいる真っ最中です。嘔吐は滅多にしないのですが、起きている間中吐き気が続いて、正直頭がおかしくなりそうです。食べたくもないのに、食べないと悪化するから定期的に食べ物を詰め込まないといけないのも苦痛で……。私のつわりは夜寝る前が最悪で、こんにゃくゼリーを流し込んで、少しでも楽になった瞬間に眠りにつくようにしています。主治医とも相談し、生活にさし障る時には薬も使用していますよ。
4歳の娘が夏休みなのですが、私のつわりのせいでほとんど遊びに連れ出せないのが辛いです…。ただ、私が体調が悪いことは理解してくれていて「おびょうきのときはしかたないよ」と大人しく家で遊んでくれているのがまた申し訳なく……うう、ごめんよ。元気になったら遊びに行こうね。

あなたに合う対策を見つけて、大変なつわりの時期を乗り越えることができることを心からお祈りしています。(私もまだ先は見えませんが頑張ります。)


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