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家庭内の言葉を大切にしてきた江藤真規さんに、前回は
「イライラ言葉」→「ポジティブ言葉」の変換事例を教えてもらいました。
江藤さんは、娘二人を現役で東大にいれたスーパーママ。けれども、「子育て中は、イライラしっぱなし。家族に、『真規』を『魔鬼』と変えた方がいいと言われるほど、 怒りまくっていた時期もありました」と言います。
そんな江藤さんは、どのように自分を変えていったのでしょうか?
お話をうかがったのは…
江藤真規(えとう まき)さん
教育コーチングオフィス、サイタコーディネーション代表。マザーカレッジ主宰。自身の子育て経験を通じて、コミュニケーションの重要性を実感。東大大学院で研究を続けながら、保護者と教師が連携をとることの重要性を提言している。
・マザーのための知的な学び場:MOTHER COLLEGE(マザーカレッジ)
■イライラ言葉を使ってしまう7つの原因
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そもそも、どうしてママは子どもにイライラ言葉を使ってしまうのでしょうか? 胸に手を当てて、よ~く考えてみると、イライラ言葉を使ってしまう「引き金」は子どもの言動ですが、根本的な原因は
「親の心の中」にあるようです。
「イライラ言葉を使ってしまう『親の心のなか』にある根本的な原因を分類すると、次のとおり、大きく7つにまとめることができます」(江藤さん)。
自分自身がどのようなシチュエーションでイライラ言葉を使いがちなのか? それがわかればイライラ言葉を回避しやすくなるはずです。
●イライラの7つの原因を知ろう!
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■イライラを解くカギは「もうひとりの自分」
江藤さんは言います。「イライラ言葉から脱却するのにオススメなのは、イライラ言葉を発したときの自分と子どもの関係性を客観的に見る
『もうひとりの自分』をつくることです」。
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イライラしている自分を、俯瞰の視点で感じてみる…。たとえば、「イライラ言葉を使っている、いまの自分は子どもからはどんなふうに見えている?」「子どもにどんなふうに影響を与えている?」。そんなことを、自分に問いかけてみるのです。
「もうひとりの自分」がこう問いかけることで、現実の自分は「何をやっているんだろう」と、わが身をふりかえるキッカケにできることもあるでしょう(できないことがあっても、それはそれ。いちいち落ち込まないことも大切です…笑)。
こんなふうに、「もうひとりの自分」が、現実の自分に問いかける「セリフのパターン」をいくつか知っておけば、イライラ感情に溺れてしまうことを、少しは防げるかもしれません。
●イライラ感情からママを救う7つの救命言葉
原因 → 自分への問いかけ
1.急いでいるとき → 「子供はなぜ急ぐ必要があるのかわかっている?」
2.周りの子供と比較してしまうとき → 「夫によその奥さんと比較されたら、どう思う?」
3.周囲の言葉に、敏感になりすぎているとき → 「子育てに正解を求めすぎていない?」
4.理想と現実のギャップを感じるとき → 「その理想は誰の理想なの?」
5.見通しが立たないとき → 「子供の10年後をイメージしてみて」
6.イヤな部分ばかり目につくとき → 「イヤな部分は、言い換えればどんな才能?」
7.自分の調子が悪いとき → 「私を助けてくれる人は誰なのかな?」
出典:『子どもに伝わる! 子どもが変わる! ママのイライラ言葉言い換え辞典』(江藤真規/扶桑社)
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■「成長モデルが違う」という発想
今回の取材を通じて、筆者が一番、印象に残ったことをお伝えします。
「
親としての 成長モデルは、『学校で勉強を習う』などの知識習得型モデルとは違う成長モデルです。壁にぶつかったときに、『さて、どうしよう』と悩み、その困った状況に子どもとともに身を置きながら省察する、そして超えていく…、このような流れが親としての成長なのだと思います。
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この成長モデルをイメージできるようになると、『怒ってしまっても、しょうがない』ということが、開き直りでも何でもなく、壁を乗り越えるための言葉として使えるようになっていきます」(江藤さん)
『学校で勉強を習う』ということとは違う、成長モデルがある。「習ったから、できるようになる」ということではなく、自分の失敗を省察することから学ぶ成長モデル…。
この成長モデルの存在をイメージできるようになると、「子供に対して、すぐにイライラしてしまう私って、何てダメなんだろう!」と自分を責めるのではなく、「どうして、私、あんなことを言ってしまったのかな?」と、
怒ってしまった自分に寄り添えそう。 そして、そこから学ぼうと、前向きな方向に気持ちを切り替えできそうです。
子育ては大変な事業で、誰しもが壁にぶつかるもの。「子育てで、何の問題もないという人を、私は知りません。イライラ言葉を使ってしまったときほど、親子にとって、成長するチャンスだと、私は強くお伝えしたいと思っています」(江藤さん)
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