「助けて!」子どものSOSサイン、見つけ方と対処法

目次

・子どものSOS「心が不安定になりやすい時期は?」
・子どものSOS「どんなふうにあらわれる?」
・子どものSOS「深刻度別 親ができること」
「助けて!」子どものSOSサイン、見つけ方と対処法

©pingpao- stock.adobe.com


子どもの様子に「あれ、なんだかいつもと違う?」と感じたことはありませんか? いつもと同じように見えるけれど、なにかが違う気がする…。それは子どもの心のなかにちょっとした変化があらわれているのかもしれません。

もしもそれが親への「助けて!」「気づいて!」というSOSサインだったとしたら? 発見が早ければ早いほど、対応も素早くできるのではないでしょうか。

今回は、子どもからのSOSの見つけ方、その対処法について考えていこうと思います。

■子どものSOS「心が不安定になりやすい時期は?」

助けを求めるSOSサインというものは、そもそも、タイミングが予想できる類のものではありませんよね。

けれど、子どもの場合は「変化があらわれやすい時期」というものがあり、この時期に注意深く見守ることでよりSOSに気づきやすくなると思います。

変化があらわれやすい時期というのは、「生活環境などが変わった時」。新学期や引っ越しのあとなど、毎日見ていたクラスの顔ぶれが変わる、街の風景が変わるなど「いつもの暮らし」が変化した時、子どもの気持ちは不安定になりやすいんですね。


また、夏休みや冬休みなど、長いお休みが終わりを迎える時にも要注意です。大型連休の終わり頃は、大人ですら「ああ、明日からまた仕事か…」と、どんよりした気分になるものですよね。それは子どもも同じ。

それも、お休みの期間が長ければ長いほど、休み明けは心が不安定になりやすくなるようです。長期休みが3カ月に及ぶアメリカでは、休み明けにうつを発症する子どもが多くなるともいわれています。

■子どものSOS「どんなふうにあらわれる?」

では、子どもからのSOSは具体的にどんなふうにあらわれるのでしょうか。実は、その内容によって第1段階、第2段階…と分けられ、だんだん深刻さを増していきます。

初期のSOSとなる第1段階を放置してしまうことで、子どもの言動は第2段階へと進行。
気づいた時には、対処に時間がかかる状態へおちいっていることも少なくありません。

子どもが不安を抱えた時に発せられるSOSの行動について、年齢を2~5歳までの幼児期と、6歳以降の学童期に大きく分けて説明していきましょう。

【2~5歳:幼児期のSOSサイン】


話ができるようになるものの、まだまだ社会や他人との関わりのなかで「自分」という認識が薄い2歳~5歳の年代は、親との結びつきが強い時期です。この時期に見られるSOSの段階は下記の2つに分けられることが多いようです。

第1段階 出かけようとすると「イヤ」とだだをこねる、逃げる。
第2段階 泣く。


最初はイヤイヤをしたり、逃げ回って自分の感情を表現します。そして、その気持ちを理解してもらえないことで第2段階の「泣く」という行動に変化します。
5歳までのこの言動や行動はある意味分かりやすいですが、6歳以降になるとSOS行動は一気に複雑化します。

【6歳以降~:学童期のSOSサイン】


6歳以降になると、集団のなかで自分の気持ちを言葉にして表現することができるようになります。また、集団生活に慣れることで、ある程度の社会性が培われてくる年齢でもあります。この年齢になるとSOSの言動は下記のような4つの段階に分けられます。

第1段階 張りきる、頑張るなどの行動で「見て! 見て!」と自分に注目を集めようとする。
第2段階 わざと遅刻したり騒いだりしていたずらをする。
第3段階 教室を飛び出す、意地悪をする、極度に反抗する。
第4段階 無視する、不登校になる。


6歳以降の子どもからのSOSはまず「僕(私)を見て!」という行動が見られます。そして、親や周囲から理解されず放置されると「いたずら」などの行動へと移ります。

たいていの場合、第1段階ですでに、いつもと違う様子に気づくケースが多いでしょう。けれど、うっかり見過ごしてしまうと第2、第3段階へと進んでしまう可能性もあるのです。


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