2018年10月29日 20:00|ウーマンエキサイト

乳児ママ「5~10人の小さなママ・コミュニティ」が居心地良い理由【ママの心が軽くなる「助産師さんの子育てヒント」 第1回】



■人見知りママ「産後の今だからコミュニケーション力アップ」

乳児ママ「5~10人の小さなママ・コミュニティ」が居心地良い理由【ママの心が軽くなる「助産師さんの子育てヒント」 第1回】

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──人見知りのママは、どうすればいいのでしょうか? 初めてなにかに参加する時はハードルが高そうです。

大坪先生:私が開催しているものでも、参加者の人数や年齢などの問い合わせがあります。年齢が高い方や、逆に若い方も気がひけることがあるようです。でも、参加前はいろいろ気にしていた方も、実際にいらっしゃると赤ちゃんを通してつながっていきますよ。

──お互いの年齢が異なっても仲良くなれるんですね。

大坪先生:お母さんになったら、みんなスタートは一緒だ、と思われるみたいですよ。そして、赤ちゃんが仲間を作ってくれます。「子はかすがい」と言いますが、お母さんが無理に話さなくても、赤ちゃんがほかのお母さんを見つめてくれたりすると、そこで会話が生まれます。


──赤ちゃんがいることで場が和むのですね。

大坪先生:赤ちゃんって笑顔を引き出すのが上手なので、こちらのリアクションに赤ちゃんが笑顔を返してくれるだけで、こちらも笑顔になります。場に安心感が生まれ、その場にいるみなさんも自然と笑顔になります。

──さらに、産後のお母さんはホルモンのおかげでコミュニケーションが上手になると聞きました。

大坪先生:オキシトシンというホルモンがあるんですけど、それが人の社会性に働きかける、と言われています。

オキシトシンは、お産の時に子宮を収縮させたり、おっぱいを押し出す働きがありますが、子どもを抱っこしたりして触れ合うとオキシトシンの分泌スイッチが入りやすくなるそうです。

産後は特にオキシトシンへの感受性が高まり、お母さんの社会性に働きかけるので、コミュニケーション力が高まるのではないでしょうか。

──ホルモンがお母さんのコミュニケーションを助けてくれるんですね。
それでもなにを話したらいいかと心配な場合はどうすればいいですか?


大坪先生:「なにか話さなければ」と思う必要はありません。人の話を「ふんふん」って聞いていればいいんですよ。しかも、赤ちゃんは日々成長するので、話題には事欠かないですよね。一人ひとりの性格もいろいろですし、親の関わり方もいろいろで多様性もありますし。

──ママ・コミュニティでは、いろいろな子育ての話も聞くことができるのですね。

大坪先生:子育てしている方は自分の中に「理想の母親像」を持ち、「私がママじゃなかったら、この子はもっと幸せになれたのに」と自分で自分を責めがちになることもあるようです。

当事者同士の集まりのいいところは、専門家が「こうした方がいい」と話すわけではないので、それぞれの子育てが責められたり評価されたりというような気持ちになりにくいようです。

いろいろな人が自分の経験を話しても、その中で欲しい情報だけを持って帰ればいいので、「私はやっていない。
できない」などと自分を責めなくてすみますよね。

──ママ同士の話の中には「こうしなければいけない」というものはないということですね?

大坪先生:そうです。生活ってそうですよね? お風呂ひとつとっても、髪の毛から洗う人もいれば、足から洗う人もいます。どれが正解というわけではなく、その人自身がやりやすく快適に過ごせていければ、スムーズでストレスも少なくてすみますよね。

■「思っていたのとは違った…」合わない集まりに参加してしまったら?

──とはいえ、自分が乳児を育てていた頃を振り返ると、すごくきちんとなにかやっている方がいると影響を受けた気がします。

大坪先生:引っぱられますよね。そういう時に2人きりで「絶対あなたこうした方がいい」と言われると影響を受けるでしょう?

だけど、3人以上いればグループ・ダイナミックス(集団における人の行動や思考の特性、集団力学)によって、それぞれが役割を担うみたいですよ。わーっと意見を押しつける人もいれば、それに対してえーっという人も出てきます。
だからこそグループで話して、いろいろな意見を聞くのが大切だと思います。

──合わない集まりに出てしまったら、どうすればいいですか?

大坪先生:子どもをダシにするわけではないですけど、必要以上にふみこんでくる方がいたり、楽しめない集まりだとしたら、「この子がもう退屈しているみたいだから帰りますね」と言えばいいのではないでしょうか。自分が嫌だなと思ったら、つらいことを我慢する必要はありません。

──無理につきあわず、さっと引いていいのですね。

大坪先生:あとは、人を招いたりすることも苦手だったらしなくてもいいと思います。負担になるようなことは無理をしないでも大丈夫ではないでしょうか。

──つきあい方も自分で調整すればいいのでしょうか?

大坪先生:距離間は人それぞれなので、自分を守ることも必要だと思います。話していく中で話しやすい人を見つけられればいいですね。


あとは、私が顧問をしている子育て支援グループamigoのように、子育て支援者が案内役を務めてくれる場所もいいかもしれません。なかなか自分に合った集まりがないと思ったら、自分で作るのもひとつの手です。必ずしも誰かにやってもらわなくても、自分たちでも作れます。


乳児ママは、情報収集やガス抜きという意味でも、10人以下ぐらいのコンパクトなママ・コミュニティに無理のない範囲で参加することをおすすめする大坪先生。

次回は、あふれる情報にまどわされない子育てについてうかがいたいと思います。


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