連載記事:パパ小児科医の子ども健康事典
【医師監修】赤ちゃんが重症化しやすいRSウイルス感染「せき・鼻水がとまらない…」<パパ小児科医の子ども健康事典 第11話>
RSウイルス感染症は、冬に流行する(ときにほかの季節でも流行)、せきや発熱をおこす呼吸器感染症です。とくに生後3カ月未満の乳児は呼吸困難感が強くなって、入院が必要になることも多いのです。
RSウイルス感染症とは、どのようなものでしょうか? 症状や診断、治療・ホームケア、感染予防のポイントなどを解説していきます。
RSウイルス感染症、その症状は?
最初は、せきや鼻水などの症状が数日続いたのち、発熱したり胸がゼロゼロして呼吸があらくなります。発熱は数日~1週間近く続く場合や、微熱程度の場合などさまざまです。
鼻水が多いことが特徴で、のどの奥に垂れ込んできてせきこみ、夜眠れなくなってきて、さらにひどくなると細気管支炎というものをひき起こしてきます。
細気管支とは、気管が左右に分かれ、さらに細かく枝分かれした部分。そこが炎症を起こすのが、細気管支炎です。
イラスト:ぺぷり
細気管支がむくんだり、分泌物がたまったりしますと空気の通りが悪くなってしまい、笛のようにヒューヒューと音がなる(ぜん鳴)ようになります。
空気の通りが悪いと呼吸困難感がでてきて、肩で息をしたり胸やおなかがペコペコ(=陥没呼吸。下のイラスト参照)するような症状が出てきたら酸素投与をしなければなりませんから救急受診してください。
イラスト:ぺぷり
この陥没呼吸はとても重要な呼吸困難のサインで、鼻がひくひくしたり、首のところがペコペコしたりする場合も見られます。
数日間の軽い風邪症状から次第に呼吸困難感が強まり、数日間の症状のピークがへて、せきや鼻水は徐々に改善に向かいます、全経過で1~2週間以上はかかるものと思ってください。