連載記事:私、子ども欲しいかもしれない。
【私、子ども欲しいかもしれない。 第16話 】もしパートナーがひどい人間だと分かったら
「子ども欲しいけど、実際どうなの?」人気コラムニスト
犬山紙子が育児体験者の話を聞いて考える「出産・育児」のリアル。
保活、育児分担、二人目問題…母親の本音炸裂! 『私、子ども欲しいかもしれない。
』より(全19話 連載)
© buritora - stock.adobe.com
■Mちゃん(37歳・4か月の女の子)の場合
私の友人にMちゃんという女性がいる。動物好きでアクティブ。辛いことがあっても人前では笑い飛ばして話す強さを持っていて、彼女に話を聞いてもらったらスッとできそうだな、そんなふうに思わせてくれる女性だ。
そんな彼女からある日、「パートナーと別れ、シングルマザーになる決心をした」というメールがきた。実はMちゃん、パートナーから精神的DVを受けていたという。
もし妊娠中に、パートナーがひどい人間だと分かったら……。
別れたほうがいい、絶対いい。客観的にはそう思う。
でも、自分がその立場だったら、私が想像してる何十倍、何百倍もの迷いと悩みが襲うんじゃないだろうか。
そんなMちゃんの話を聞いたら、私の中で子どもに対する気持ちや考え方が大きく変わったので、書かせてもらいたい。
最初はすごく優しくて、すぐに結婚しようと思った
© Paylessimages - stock.adobe.com
「相手は5つ年下で、最初の頃は、すごく優しかった。食事でもなんでも、女には支払いはさせちゃいけないみたいなタイプ。結婚願望も強いんだけど、『結婚してもご飯は外食で構わない。朝もお弁当なんて作らなくてゆっくり寝てていい。洗濯も炊事も僕がやるよ』とか言ってくれて。
子どもも最初の頃から欲しいって言ってて。
釣りを教えたいとか、キャンプに行きたいとか、いろいろ話してくれたの」
付き合いだして「結婚したい」「子どもが欲しい」という意思が同じだと分かった時というのは、急に未来が開けたような気持ちになる。