連載記事:パパ小児科医の子ども健康事典
【医師監修】突発性発疹「初めての高熱」症状、治療、予防法<パパ小児科医の子ども健康事典 第24話>
イラスト:ぺぷり
前回の
「【医師監修】熱性けいれん「パニックになる前に」正しい対処法2つ」では熱性けいれんについて説明しました。初めての発熱の場合、突発性発疹という病気がきっかけで熱性けいれんを起こすことはしばしばあります。
突発性発疹とは、どのような病気なのでしょうか?
■突発性発疹「発症時期、期間、症状」
突発性発疹は生後6カ月〜2歳くらいの子に発症するもので、「初めての発熱」によくある病気です。
一般的に、生後6カ月頃まではお母さんからもらった免疫で守られていますが、その時期をすぎると発熱を繰り返します。突発性発疹は、その中でも多くの子どもが通る道で、突然の発熱で発症します。
まず39〜40℃くらいの高い熱で発症し、そのほかの症状は乏しいです。鼻水や下痢をともなうこともありますが、ほかの風邪症状はあまりひどくありません。
数日〜5日くらい熱が続き、ストンと熱が下がって、その後、全身に斑点状の発疹が出現します。
顔、首、おなか、背中に出ることが多いでしょう。
発疹は広範囲に出現してとても目立ちますが、その見た目に比べ、かゆみはそれほどひどくはなりません。発疹が出てから再度発熱することはなく、発疹も数日間で自然に改善します。
■突発性発疹の原因は? 2〜3割が「隠れ突発性発疹」
突発性発疹は、ヒトヘルペスウイルス6型と7型が原因です。
2種類のウイルスによるものなので、最大2回突発性発疹にかかる可能性があります。みんなが感染する病気ですが、感染しても全員に発熱や発疹が出るわけではありません。
「うちの子、3歳になってもまだかかってないんですけど大丈夫ですか?」としばしば質問を受けますが、2〜3割の子は感染しても症状が出ないため、知らないうちにもうかかっているのでしょう。
おおむね3歳までに全員が何らかの形で感染します。
生後6カ月〜1歳くらいに発症する子が多いですが、ときに2歳でも感染はありえます。