コミックエッセイ:劔樹人の「育児は、遠い日の花火ではない」
実の父親が女児誘拐犯で通報!? 事件後の世間の反応とダメージは…【劔樹人の「育児は、遠い日の花火ではない」 第13話】
皆さま、ごきげんいかがですか。男の墓場プロダクションの劔樹人と申します。
普段はマンガを描いたり、バンドをやったり、ハロー!プロジェクトの応援をしたりしながら、家のことや育児を主に担当する主夫として生活しています。
今回は、インターネット上で大騒ぎになったあの事件の話です。
■誘拐犯に間違えられた私
8月の半ば、お盆のUターンラッシュに混雑する新幹線で、父親が娘を連れて乗っていたところ、
「誘拐犯と間違われて通報された」という出来事が「Yahoo!ニュース」のトップで扱われ、インターネットで話題となった。
「女児誘拐の疑い」というワードはTwitterで一日中トレンド一位。
何かしら目にした方も多いのではないかと思う。
そう、あれは何を隠そう、
私とうちの娘のことなのである。
知らない方もいらっしゃると思うので、ぜひそんな感じのワードで調べていただければすぐおわかりになると思う。
とにかく、あの一件で私もすっかり有名になってしまった。
会う人会う人にその話をされるのはもちろん、次の週末、バンドで出演するため福井のフェスに行ったら、会場にいた友人は、
いや、これから私、ステージで演奏するのに! そっちには触れないんだね!
会場ではお客さんからも何度か「大変でしたね」と言われる始末。
でも、多くの人が気にかけてくださって、世の中に優しい人が多いことに、うれしく、あたたかい気持ちになった。
「ショックだったでしょう」というお言葉もたくさんいただいた。
それはしかし、署に連行で何時間も拘束とかそこまでの話ではないし、昔からどうしてか職務質問はよくされるタイプだったので、正直特別ダメージはなかったのである。
その後のネットには、私に対する厳しい意見や、誹謗中傷も含めたコメントがたくさん寄せられたが、これも思ったほどダメージはなかった。
ないつもりだったが…
娘が例のごとくイヤイヤを始めると、たしかに以前よりもグッタリした気持ちになるような…。消耗が激しくなっているというか。
「あ、もしかして、自分ちょっと傷ついているかも…」
と思った瞬間である。
しかし、傷ついていようがいまいが、生活は続く。
娘のイヤイヤもまだまだ続く。
その日も、娘を保育園に連れて行った…。