ウーマンエキサイトをご覧のみなさま、こんにちは。妊娠を望む方たちのサポートをしている、ファミワンです。今回の担当は、ファミワンの公認心理師・臨床心理士の戸田です。妊活や性にまつわる、心や人間関係のお悩みを専門にお仕事をしています。
ファミワンにはセックスに関するお悩みも多く寄せられます。「性欲がわかない」「痛い」「気持ちよくない」「最後までできない」など、ご相談内容は様々です。
セックスが上手くいかない原因を「愛情がないから」「パートナーが本気で妊活しようと思っていないから」と、精神論だけで理解しようとする方も多いようです。
しかしセックスの問題は、身体(性機能)の知識をもって、行為の仕方を工夫することで改善できる場合があります。
セックスは身体を使ったコミュニケーションです。正しい知識を持って楽しんでいただくために、セックスについて何回かに分けてお伝えしようと思います。
今回は、セックスの基本のキ、性欲のお話しです。
■人間の性反応には段階がある
人間がロマンティックな気分になってセックスをするとき、身体にはどのような変化が起きているかご存知ですか?
1960年代から発表されたいくつかの研究で、人間の性反応には次のような段階があると言われています。
欲求期…性的なイメージがわいて性的な行為をしたくなる。
興奮期…性欲がわいた結果、女性は膣が濡れる・男性は勃起するなど身体が反応する。
プラトー期…興奮が高まり、女性は膣壁が厚くなる・男性はカウパー液が出るなど、オーガズムに至るまでの身体の準備が整う。
オーガズム期…快感の絶頂期で、女性は腟が収縮し、男性は射精する。
この段階のどれか一つでもうまくいかないと、心も体も満たされないセックスになってしまいます。
ご覧のように、性欲はこの中で最初の段階です。よく「セックスを楽しむにはムード作りが大切」と言われるのは、ムードを作って性欲がわいた状態からでないと、興奮期・プラトー期・絶頂期の段階まで身体が反応しにくいからなのです。
■性欲がわきにくい要因
女性の性欲を減少させる要因として、次のようなことが言われています。
・生活上のストレス
・精神的ストレス
・テストステロンやエストロゲンなどのホルモン異常
・抗うつ薬、抗てんかん薬、経口避妊薬など薬の作用
・セックスの頻度が少ない
・セックスに対する嫌悪感や不安感
男性の場合も同じように、ストレスやホルモン(テストステロン)の減少、薬の作用、セックスへの不安感などで性欲がわきにくくなります。
ホルモン異常がある場合は、ホルモン補充療法が適応になる場合があります。また、セックスに対する嫌悪感や不安感が非常に強い場合は、専門家による精神療法・カウンセリングが適応となります。
何かの疾患で治療中・服薬中の方は、そのお薬が性欲や妊娠に影響するか、主治医に確認しながら妊活を進めてくださいね。
■性欲を高めるコミュニケーション
セックスを楽しむためには性欲を高める必要があるわけですが、排卵日だけ都合良く性欲を高めることはできません。脳は欲求を学習します。性欲を高まりやすくするには、普段からロマンティックなやりとりや接触をして、脳に性欲を学習させる必要があります。
国内の研究報告によれば、日本人はパートナー同士でどのようなセックスをしたいか、どのような手順でどこをどのように刺激してほしいか、などを伝え合うコミュニケーションが不足していると言われています。
「痛みを感じても、性感が得られなくても、そのことを相手に打ち明けられない」
「ヒントを与えられることなく相手を満足させなければいけないと思っている」
など、セックスについて言葉にしにくいことも、セックスの満足度を低下させてしまうと言われています。
あなたは、ご自分やパートナーの性感帯をご存知ですか?性感帯は、耳、耳たぶ、唇、首筋、乳首、わき、背中、性器、肛門周囲、太ももの内側、膝頭、足の指などと言われています。個人差はありますが、ご自身の性感帯をどのように刺激されると気持ち良いか、言葉に出してパートナーさんに伝えてみてください。
性交渉の時だけでなく、普段のスキンシップで「頭を撫でてほしい」など伝えてみるのも良いですし、「どこを触られたら気持ちいい?」と聞いてみるのも良いですね。
自分がどのようにされたいかを相手に伝えるためには、自分で自分の身体を知る必要がありますよね。そのために、マスターベーションを楽しむことをお勧めします。
マスターベーションに抵抗感をお持ちの女性は少なくありませんが、性の問題の専門家達はマスターベーションをとても重要なものだと考えています。心と体の健康のためにも、マスターベーションはたくさんして良いと推奨されています。
マスターベーションで自分の外性器を見たり触ったりすることで、どの部位をどのような方法、強さで刺激すると一番気持ち良いのか知ることができます。セックストイなどを使ってみるのも良いですね。
妊活コンシェルジュ「
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