夫の家事育児参加をあきらめないで! #パパ育休のミライを考える【緊急対談】

小泉進次郎環境相が育休取得を表明したことで注目が集まっている「男性(パパ)の育休」。家事・育児といった家庭責任が女性に偏っている現状をどうにかしたい!との声は多く聞かれており、そのキッカケとしても男性育休は期待されています。
そんな男性育休の実態について、ファザーリング・ジャパン代表の安藤哲也さんとママリ編集長の湯浅大資さんに詳しく聞いてみました!

目次

・男性の育休取得率は、たったの6.16%
・夫をあきらめるって…地獄の入り口?!
・男性が育休を1ヶ月とることが当たり前になる日も!
・夫婦で話せば、不安は減る!
・パパの育休は、パパにとってもメリットが大きい
・今の時代にマッチした子育てを考える

夫の家事育児参加をあきらめないで! #パパ育休のミライを考える【緊急対談】

安藤哲也:2006年に父親支援のNPO法人ファザーリング・ジャパンを設立。
湯浅大資:妊活・妊娠・出産・子育て領域でママの一歩を支えるサービス「ママリ」編集長



男性の育休取得率は、たったの6.16%

安藤:ついに小泉進次郎さんが育休取得を表明しましたね~。

湯浅:これでパパの育休取得率が上がるといいんですけれど。

安藤:厚生労働省が発表した平成30年度雇用均等基本調査によると男性の育児休業の取得率はたったの6.16%だからね。

湯浅:これまで僕は、妊活・妊娠・出産・育児に日々向き合う女性に向けたコンテンツ作りに取り組んできたのですけれど、その中で見えてきたのは「これ以上ママたちにがんばれなんて言えない…」という現状なんです。子どもを産み、育てるという「命を背負う」という大きな責任をママひとりが背負っている家庭があまりにも多すぎます。


約4,000人のママリのユーザーを対象に行った調査では、びっくりするような結果が出ました。育休取得のパパの3人に1人は家事・育児に費やす時間が1日あたり2時間以下。約半数が1日あたり3時間以下だったんですよ!

安藤:え? 育休中なのに? 育休を取得したのに?

夫の家事育児参加をあきらめないで! #パパ育休のミライを考える【緊急対談】

夫をあきらめるって…地獄の入り口?!

湯浅:アンケート結果を読み解いていくと、さらに驚くことに、パパが育休を取らないで欲しいと思っているママが50%近くいるんです。

安藤:どういうこと?

湯浅:パパは「外で働く役割の人」になっているということなんじゃないかと…。

安藤:パパの育児、家事参加を期待していないってことだよね? 
ファザーリングジャパンでは、育休を取るパパたちばかりだから、その後の家庭の様子とかもよく聞くけれど、パパが育休を取得したほうが、そのあともいろいろうまくいっている場合が多いんだけどなぁ…。パパも試行錯誤で最初からはうまくいかないけど、家庭では料理が上手くなっていったり、仕事でもマネージメントスキルが上がったり。

湯浅:そうなれば、ママの負担も軽くなるし、パパも家事や育児の楽しさに気づいたりできますよね。

安藤:僕からすれば「夫(パートナー)をあきらめることは地獄の入り口」ですよ。
パパの家事や育児の参加をあきらめたら、その後、ずーっとママ独りでいろいろなことをこなしていかなければならなくなってしまうんだから。もちろん、今役割分担がうまくいっている夫婦に文句言うつもりはないけど。

湯浅:ママリのアンケートでは、パパが育休を取得したママたちの約7割以上は満足という結果も出てるんです。

安藤:夫の育休を体験していない人たちが、取らないで欲しいと思っているってことか。

湯浅:育休を取ったら、家計にダメージがあるとか、どうせ家事育児もたいしてしてくれないだろうな…という予想不安ですね。ただ、その不安はわかるんです。

夫の家事育児参加をあきらめないで! #パパ育休のミライを考える【緊急対談】

ママリ内の投稿の抜粋



男性が育休を1ヶ月とることが当たり前になる日も!

安藤:子ども一人につき、原則1年最大2年の休業期間と、賃金の67%に相当する育児休業給付金(6カ月経過すると50%)の支給という日本の育休制度は、実は世界でもかなり手厚い良い制度だと思うんだけどね。

湯浅:制度は良いんですけど、育休は基本女性が取るものとして設計されているので、現状パパの育休取得率は低いんですよね。


安藤:でも、小泉進次郎環境相の育休取得宣言もあったし、国は少子化対策や世界から遅れてるジェンダーギャップ解消のため、女性活躍とセットで男性育休の推進を図ってる。だから来春から国家公務員は育休1ヶ月の義務化が始まる。民間企業にもその流れはくるはずだから、5年後ぐらいにはパパが育休を1ヶ月取って家にいることが当たり前になると思うよ。

湯浅:男性が育休を取ること自体は進んでいくのが見えているからこそ、パパとママと2人で一緒に「育休を取ることについて」コミュニケーションが増えて欲しいと思っているんです。

安藤:コミュニケーション取ってないから、起こる問題って多いもんね。

湯浅:今回、作りたいと思っている冊子は、コミュニケーションを取るための、ツールの一つとして、すごく有用だと思っているんですよ。

安藤:普段から、夫婦なんだから、話し合えばいいのに(笑)。

湯浅:理想はそうなんですけれど(笑)。

ママも妊娠して不安が増える中で、新たに「パパと育休についてどうするか話さないと」とママがパパを説得するような構図は、ママに負担が増えてしまう。だから、プレパパに冊子が自然と届くよう、自治体から配布したいなと思っていて。
夫の家事育児参加をあきらめないで! #パパ育休のミライを考える【緊急対談】

冊子のサンプル



夫婦で話せば、不安は減る!

安藤:人ってさ、話せば、不安は減るよね。ファザーリング・ジャパンでも、設立当初は、どうやってパパになったらいいかわからない人たちがいっぱいいたから、よくわかる。パパにとっても、対話は、不安を減らすことになる。

湯浅:悲しいことに、出産、育児周りのニュースは、明るいものだけでなく、産後うつとか虐待などを耳にすることも多いじゃないですか。そばにいるパパがママを理解すること。それだけでママの心が救われることも多いと思うんですよ。


安藤:育児や家事の大変さを知らないとママに対して横柄になってしまうところを、知っていればママに対して感謝が生まれるからね。

湯浅:育休をきっかけに、子どもと向き合えるパパが増えればいいなと思っているんです。

安藤:ファザーリング・ジャパンでもよくパパたちに伝えているんだけど、子育てって男性にとっても人生でのメリットが大きいんだよ。

湯浅:働くママだと、マミートラップとかありますけど、パパにはないんですか?

パパの育休は、パパにとってもメリットが大きい

安藤:パパが育休を取得すると、昇進やキャリアに影響するという時代や価値観は変わってきていると思うんだけどね。もちろんまだまだだけどさ…。

でも、長い目で見れば、自分の子どもやパートナーとしっかりと向き合うことで人生の充実度が変わってくるよ。ファザーリング・ジャパンのパパたちは、笑顔のパパが多いですよ。

湯浅:「機嫌がいいパパがいる」ということが家族としては大事ですよね。


安藤:ファザーリング・ジャパンには、育休を取得して、ママの気持ちに寄り添うパパ、笑顔のパパ、子どもと向き合うパパ。そんなパパばかりですよ。

湯浅:そこにたどり着くには、まずは、育休の取得率をあげたいですよね。でも、収入が一時的に減ることでパパの育休取得をママが反対することもあるのが悩みところで。

安藤:ファザーリング・ジャパンでは、そういうのを「嫁ブロック」と呼んでいます(笑)。

湯浅:嫁ブロック?

安藤:「育休なんて取らないでいいから稼いでこい!」ともすると、ジジババブロックとセットで構成されていることもある。昭和の旧来の家父長制の中での父親像からくる「男は外で働き、女は家を守る」という価値観をヨシとしているんですよ。

湯浅:役割分担ができていて不満がないというご家庭も確かにありますよね。
ママリのアンケートでもそのような声はありました。でもそれは、やはり一部でワンオペの大変さなどのママたちの悲鳴が聞こえてくることの方が多いです。

今の時代にマッチした子育てを考える

安藤:核家族や働くママが増えているんだから「男は育休を取らずに外で働き、女は家を守る」だけが幸せの形じゃないことがわかってきているよね。とにかく自分たちがどんな子育てをしたいのか、どう暮らしたいのかもっと話し合ったほうがいい。

湯浅:今の時代にマッチした形で、苦しくない子育てをしてほしい。今回の冊子は、そのためのものです。

安藤:この冊子をきっかけに、ママとパパがいっぱい話せるといいね。

湯浅:今回は、育休を取ったパパのメリットなども教えていただき、ありがとうございました!

ワンオペ育児をなくすために、パパ向け育休本を制作したい!
夫の家事育児参加をあきらめないで! #パパ育休のミライを考える【緊急対談】
今回のパパ向け育休本を制作するためのプロジェクトがクラウドファンディングにて支援金を募集中です。支援金は、冊子の制作費と印刷費の一部、リターンの原価や発送費、クラウドファンディング手数料に使われるそうです。

クラウドファンディングからの制作および冊子配布のスケジュールは、下記の通りです。

・2019年11月:クラウドファンディング開始
・2020年01月:クラウドファンディング終了
・2020年02月:本の制作開始
・2020年05月:本の制作終了
・2020年05月~:順次リターンの送付
・2020年05月~:順次パートナー自治体にて配布開始

プロジェクト支援はこちら

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