親子の「距離感」は難しい…! 独特の人生相談で人気の幡野広志さんに聞いてみた


子どもが泣き止まない。僕はそんな時、音楽を聴いている

親子の「距離感」は難しい…!  独特の人生相談で人気の幡野広志さんに聞いてみた

(C)Yukari Hatano


― 幡野さんみたいに、「合理的」+「人と比べない」だと、だいぶ楽になれそうです
幡野:そうですよ。人の目を気にするより、自分の子どもからの目を気にした方がいいですよ。僕は、子どもが泣き止まないとき、イヤホンをつけて音楽を聴くこともあります。「泣き声」でイライラするくらいだったら、イヤホンをつけて自分の好きな音楽を聴いていた方がいいじゃないですか。

―泣き声は、自分が責められている気がしてしまうんですよね
幡野:泣き声は生理的に不快だから、ですよね。それだったら僕は自分が耳栓をしたり、イヤホンで音楽を聴いて自分の気持ちを落ち着けてから子どもの対応したほうがいいと思うんです。「子どもが泣いているのにイヤホンで音楽を聴いているなんて、何て、ひどい人!」と言う人もいると思いますが、僕は「合理性に欠けるな」と、思っちゃいます。
楽するところと、がんばるところを分けて考えればいいのに。

親の方が立場が強い期間なんて一瞬

― 楽をしていいところを見極める……。そういう「境地」になかなかたどり着けないです
幡野:まず、人のことを気にするのをやめたらいいと思うんですよね。周りの人のことより、自分と自分の子どものことを気にした方がいい。あとね、最終的に「子どもの評価」を「自分の評価」にすり替えちゃう人がいるんです。

― 子どもは、自分とは切り離して考えた方がいい? 
幡野:そりゃそうですよ。想像するのが難しければ、「先輩」「後輩」ぐらいの関係性で考えてみたら、どうでしょう。 自分が何もできない新人の時に、「ガミガミ怒る先輩」と、「優しくいつも待って教えてくれた先輩」、どちらに信頼を置きますか? おそらく、感情的に「ガミガミ怒る先輩」を尊敬することって難しいですよね。
それは親子関係でも、同じだと思います。今、子どもは自分よりも弱い存在ですが、15年ぐらいで抜かれますから。親がよっぽど成長する人でない限り、そのうち絶対に抜かれます。親の方が立場が強い期間なんて人生で圧倒的に一瞬ということを意識した方がいいと思います。

幼少期は、自分と子どもの信頼関係を積み重ねる時期

親子の「距離感」は難しい…!  独特の人生相談で人気の幡野広志さんに聞いてみた
―  著書の中の「言葉で人の歩みを止めることも、背中を押すこともできるならば、できるかぎりぼくは背中を押す人でありたい」という言葉が印象に残りました。子どもの背中を押すことができるママになるために、どうすればいいですか? 
幡野:子どものことを、否定しないことじゃないですか? たとえば、うちの息子がyoutubeを見て「これ、欲しい」と言った時、僕はいつも「いいね! 今度、探しにいこうか」と、言うんです。3歳の子どもが「これ、欲しい」というのは、少し噛み砕けば、「これ、いいな」ということでしょう? それを、大人の都合で「いらない」とか「すぐ飽きちゃうよ」と決めつけるのは、子どもの感情の否定だと思うんです。買う、買わないは、別の話として、「いいね! 今度、探しにいこうか」って言えばいいと思うんです。


―どうして、幡野さんは、そういうセリフがサラっと出てくるのでしょうか?
幡野:そうだなぁ、そうですね……。いずれ評価をするのは、子どもだと思ってるからですかね。最後は自分の人間性が子どもにバレるんです。だから僕は子どもに自分の価値観をできるだけ押しつけないようにしています。幼少期は自分と子どもの信頼関係を積み重ねる時期なんだと僕は思ってるんです。

幡野さんの人生相談が人気の理由

詳しくは本書を読んでいただきたいのですが、恋愛相談から家族のこと、病気の悩みなど多種多様な人生相談に幡野さんが答えています。

「家庭のある人の子どもを産みたい」「娘がイジメられていて自殺を考えている」「2歳半の息子の子育てがツラい」「娘が非行にはしった」「中2の息子の成績が悪い」「友人と同じ人を好きになった」「夫の浮気が判明し、自分の病気も発覚した」

ヘビーな相談も多いのですが、幡野さんは、子どもや立場の弱い人に徹底的に寄り添いつつ、合理的――そして、問題の本質をさらっと見抜きつつ本音で生きることの大切さを伝えてくれます。

合理的で優しい…このバランスの絶妙さが幡野さんが人気の秘密だと思いました。


…本の帯には「言葉で人の歩みを止めることを、背中を押すこともできるならば、できるかぎりぼくは背中を押す人でありたい」と書かれています。幡野さんが誰かの背中を優しく(時に強く)押している言葉をぜひ読んでみてください。子どもとの関係に役立つ言葉はもちろん、人生のヒントがたくさん散りばめられています。


ガンになった写真家に
なぜかみんな、
人生相談をした。

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幡野広志著/幻冬舎刊 定価(本体1500円+税)

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