誰も教えてくれなかった産後のホント。むぴーさんが描く「育児の理想と現実」
■完璧じゃなくていい。あなたらしく歩む「母親の道」
わが子が生まれてきてくれてこのうえなく
幸せなはずなのに、胸に込み上げる不安。
産後のリサもうれし涙なのか不安の涙なのかよくわからない涙をぬぐいながら、母親になることの責任の重さを漠然と感じるシーンが描かれています。
『母がはじまった』より
産後育児はとにかく眠れず、赤ちゃんの一挙手一投足が気になって神経がはりつめた状態。トイレにさえ自由に行けず、ゆっくり食事をとる時間さえない。
そんな出産前の生活から変わり果てた日常を前に、今まで自分自身が持っていたもの、そして築いてきたものをすっかり奪われたような気持ちになることさえあるでしょう。
しかし眠れない長い夜を泣きながら越えていくなかで、ふとした瞬間に感じる柔らかであたたかい幸福の感触に心癒されることもあるのです。
『母がはじまった』より
育児とはまるで人生をかけた巨大プロジェクトのよう…。もしかしたら子育てをとおして失うものだってあるかもしれません。
しかし一方で私たちは親になることでたくさんの気づきにも出会えるのです。
ただただ当たり前に生活することのかけがえのなさ、
子育てをとおして知る弱くてもろくてかっこ悪い自分。
ときに母親という役割の重みを実感しながら“すこやかなる時も病める時も”、それぞれの「母親の道」を歩んでいくのかもしれません。