一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターの犬山紙子さんが、夫婦問題や子育てをはじめ、様々なテーマで語るラジオ『犬山の遠吠え!やってまーす』。本連載では番組内のトークを言葉にまとめ、音声と併せてお届けします。今回は2020年6月4日放送分より。
リスナーメールでは、あるワーキングマザーから届いた「コロナ禍でのママ友との変化」に、犬山さんも大きな共感を寄せていました。
■出社させるなら、ちゃんと理由を言ってほしい
<犬山さんの声を聴きながら読む>
やっぱりいいですね、作家さんたちと顔を合わせて、「何を喋ろうかー」なんて話も広がりますし。でも、収録はスタジオか、自宅がいいかは、正直はっきりと言えないです(笑)。
自宅収録は楽だし、ストレスも溜まらないって感じていたんですけど……枯渇しました、仕事のネタが。これまでエッセイの仕事でも書く内容に困ることはなかったのですが、コロナ禍の2ヶ月間で人と会わなかったせいですね。
外出で情報をインプットするのも必要だったんだなぁ、と改めて感じました。
でも、似たような気持ちを抱えている人も多いと思うんですよ。仕事はテレワークでも進められるのに、出勤はイヤだなって感じる人もいれば、会社の方が効率も上がるし、好きな人にも会えるから良いという人もいて……。
「感染リスクがあるし、電車に乗るのがストレス」という話もよく聞きます。そこは会社のトップがしっかりと、
「なぜ出社する方針にしたか」を絶対に語るべきだと思うんですよ。心が宙ぶらりんのままで、理由なしに命じられても不満が溜まるじゃないですか。
緊急事態宣言が解除になって、人出も増えてましたよね。感染者数もまた増えてきたりして。
コロナと私たちは、まだまだ一緒に過ごしていかなきゃいけないんだよな、と気を引き締めつつ、今日もパーテーションで区切られ、マスクをしながらラジオで喋っております。
■自粛生活で「よそはよそ、うちはうち」になれた
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<犬山さんの声を聴きながら読む>
さて、今週も皆さんから届いたメールを紹介していきます。千葉県、ラジオネーム「ゆうた」さんから。
30代のワーキングマザーです。3歳3ヶ月の子どもとの自粛生活に慣れてきたのに伴って、良い面も見つけられました。SNS上でのママ友の動向が気にならなくなってきたんです。それまでは素敵な場所での家族写真を見るにつけ、わが子もいろんな経験をさせようと連れ回してしまったり。習い事を始めようにも、ピアノもプールも幼児教室もお休み。
「よその家も何もやっていないのと同じ」と気づいたら、気持ちが軽くなりました。自粛生活が終わった後も、「よそはよそ、うちはうち」の精神を忘れずに生きていきたいと思っています。
スーパー素晴らしいメールが届きました。おっしゃる通りですね!
いろんな経験とか習い事とかで、「この子の才能をもっと早くから伸ばせられるのでは」という責任感から焦っちゃう気持ちもわかるんです。でも、
「よそはよそ、うちはうち」。私の子どもも3歳ですけど、お絵かきが好きなので、「教室に行きたい」って言ったら連れて行く選択肢を与えてみるのもいいかな、と思っているくらいです。
実は私自身が、幼稚園の頃から塾にかなり行かされて、小学校受験もしたし、中学校受験もしたんです。ただ、私が小学6年生で『幽☆遊☆白書』にハマりすぎ、受験勉強を放棄してからは、だいぶ方向転換もしたわけですが……(笑)。
だけど、周りに影響を受けて、
「うちの子にも経験させてあげたい!」っていう気持ちも否定したくないんですよ。それは子どもに対して教育機会を与えてあげたい気持ちの表れで、愛情があってこそ出てくる気持ちだと思いますし。その経験の先で、ゆうたさんが「よそはよそ、うちはうち」に気づけたことは、とても成熟した素敵な考え方だと感じました。
ちなみに、うちの子は最近、仮病を覚えましたよ。歯磨きをするように言ったら、「足がプルプルするからできない」と。いや、理屈が通ってないんですが、「脳が進化した!」って変に感動しちゃいました。どこで覚えたんでしょうね……あれっ、私と夫のせいですか!?