コミックエッセイ:親に整形させられた私が、母になる

もうこの子はダメだ…期待に応えられない娘に親が見切りをつける時【親に整形させられた私が、母になる Vol.28】


■親の期待をことごとく裏切る娘

個人としての実力は親がこんなにサポートしているのに全然だめで
同じ道場の子と比べても娘はダメでしかし期待もむなしく娘はパッとしないまま引退を迎えた
高校からスポーツ推薦が届いたがどうせ娘はスポーツ推薦で高校に行っても活躍できない
それだったら普通に受験したほうが良いこれ以上、剣道を続けなくていいと判断
子どもはまだ判断力に欠けるから親が進むべき道を示さなければいけない


「高校ではもうやらなくていい、これ以上やっても意味がない
これを言われたとき、自分の身体がボロボロ崩れ落ちたんじゃないかと思うくらいショックでした。

いままで10年間、嫌だったのに、嫌という感情を無理やり押し殺して押し殺して、自分に『私は剣道が好き』と思い込ませ、感情をマヒさせ、どうにか頑張ってきたものなのです。

なのに、『意味のなかった』ことを10年間もやらされていたのか…と、怒りや悲しみが一気に押し寄せてきました。

私の今までの10年間はいったい何だったのか。

そんなことなら、最初からやらせないでほしかった。
私の10年間を返してほしい。
嫌なことから解放された喜びよりも、10年間を返してほしいというつらさの方が大きかったのです。

もちろんこの10年で得たものもたくさんあります。

とくに中学校の3年間は全国レベルの環境のなか、私がみずから望んで剣道をやっていたのだとしたなら、最高の環境だったのだと思います。

精神力も身体能力も身についた、仲間の大切さも知った、のちに高校受験や就職活動においても、『運動部で全国大会に出た経歴がある』ことは大きな武器にもなったことは事実です。

後悔はしていません。恵まれていた。支えてくれた方々に感謝しています。

ただ、私はいまだに
「中学校は何部だったの?」という質問に上手く答えられないし、『剣道』という単語を聞くと身体がこわばってしまうのです。

文:著者(グラハム子)


※この物語は私の経験を基に、一部フィクションもまざっております。

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