一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターとしても多数出演する犬山紙子さん。
女性と社会をとりまく問題をはじめ、「コミュニケーション」を仕事にする犬山さんが、一人語りのラジオに挑戦中です。番組名は『犬山の遠吠え!やってまーす』(音声配信サービス「Radiotalk」でアーカイブ配信中)。
恋愛や性、夫婦問題、子育て、差別に嫉妬…常に生き方更新中の犬山さんが、リスナーからのお便りを交えながら、テレビでは伝え切れない本音を語っています。
この連載では番組内のトークを厳選して、言葉にまとめました。今回は2020年5月21日放送分よりお届けします。この日の放送も、新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、犬山さんの自宅から、Radiotalkの録音機能を使ったリモート収録。
最近ハマっているというアプリゲームの話から、犬山さんのオタク魂に火が付きました。
リスナーのメールも「オタクな趣味」にまつわるものをピックアップ。犬山さん熱弁の「推しのいる生活」には、日常にも恋愛にも効く、年齢を問わない魅力があるようです。
■100回連続パンチで、アドレナリンを出しています
<犬山さんの声を聴きながら読む>
『犬山の遠吠え!やってまーす』、今週で4回目の収録です。今回も自宅からなんですが、自宅放送はデメリットがないくらい、いいですね。
理由その1、
外に出なくていい。その2、
準備に全然時間がかからない。その3、
カメラをオフにすれば化粧をしなくてもいい!……今はスタッフさんとビデオ会議をつないでいるのでメイクしていますけど。
最近の私は、第1回の放送でも話したんですが、夫が励んでいるNintendo Switchの『Fit Boxing』を一緒に始めました。
腰のヘルニアの様子がほぼ良くなってきたので、ゲームに合わせてシャドーボクシングをしています。でも、そんなふうに体を動かしてみると、サンドバッグが欲しくて仕方ないんです、今!(笑)
いや、空中に向かってパンチするのも気持ちいいですよ。でも、やっぱり
何かを殴りたい! っていう気持ちが沸くというか、物質にパンパンッ! と打ち込む快感とは全然違うんですね。今は夫にクッションを持ってもらって、それに対して「ジャブ! ストレート!」とかやってるわけなんですけれども。
ババババッ! と100回連続でパンチすると、アドレナリンが出るようで。筋肉痛でしんどいとか面倒くさいとかよりも、その気持ち良さが勝るので、最近はこのまま突き進みたいと思っているところです。
■二次元なら一夫多妻が成り立ちます!
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先日はハマっている『ヒプノシスマイク』の話をしたんですが、今回はここ3ヶ月ぐらい夢中になっているアプリのソーシャルゲームがあって……『魔法使いの約束』をご存知の方、いらっしゃいます? リリースされて半年経つんですけど、すごい勢いで人気が出ていて。
このアプリを私が知ったのは、犬山紙子の名前を出さずにやっているTwitterのオタクアカウントで、フォローしている「作品の解釈が神がかっている人たち」、私の“神々”が盛り上がっていたんです。
なおかつ、私が『ヒプノシスマイク』で推している観音坂独歩くんに見た目が似ている、赤髪で気だるげな表情の「ミスラ」というキャラクターもいます!
「なんだ、犬山は見た目だけでキャラクターを推すのか」と思われるかもしれませんが、もちろんそれは否定しません。見た目も大きいです。でも、それでもいいんです。だって、
二次元は一妻多夫がいけるんですよ!
実生活である三次元での不倫は……お互い公認とかでない限りはだめですし、我が家もナシにしています。ミスラを推し始めたとき、私も一瞬は「これって独歩に浮気している?」って迷ったんです。でも、私が同時にふたりを推すことで、独歩が傷つくわけでも、ミスラが傷つくわけでもないじゃないかと思い、「ふたりとも愛そう」という結論に至りましたね。
『魔法使いの約束』は、人間の私が、魔法使いの世界に召喚されてしまうストーリーです。その世界での私は「賢者」で、12人の男性の魔法使いたちからも「賢者様、この世界を救うにはあなたの力が必要なんです」と求められます。
最初は戸惑っても、後に協力していきます。……まぁ、
必要とされたいですよね! 私だって賢者って呼ばれたいもん!(笑)
魔法使いたちと恋愛するのではなくて、あくまで「世界を厄災から救う」という正統派のゲームなのですが、ストーリーを進めるうちに、キャラクターをどんどん好きになっていってしまうんです。その秘訣は、シナリオを書かれている都志見文太さんの塩梅が本当に素晴らしいから。
私たちはキャラクターという「実際に存在しないもの」を愛するわけじゃないですか。ハマれるか否かに深く関わってくるのは、
その対象に自己の想いををどのくらい乗せられるかにかかっています。私がミスラに想いを乗せ、なんなら自分の成仏していない思春期の気持ちまで乗せて、どんどん「私のミスラ像」が出来上がっていく。
そう思えるほどのキャラクターは「伸びしろ」が必要なんですね。ミステリアスな部分がある、とか。
全てを書き切ってしまうと、私の妄想の入る余地がなくなってしまうので……!
とにかく都志見文太さんの描く「人間の関係性」はポリコレも完璧で、人付き合いとしても「こんな問題解決の仕方があるんだ」みたいに、ゲームから深く学ぶ瞬間もあったり。都志見文太さんの手のひらで一生踊り、転がされ続けたいと思いながら、『魔法使いの約束に』は今現在ウン万円単位で課金をしております。