一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターの犬山紙子さんが、夫婦問題や子育てをはじめ、様々なテーマで語るラジオ『犬山の遠吠え!やってまーす』。本連載では番組内のトークを言葉にまとめ、音声と併せてお届けします。今回は2020年6月25日放送分より。
■「不倫された側」に起きる、気持ちの変化とは?
<犬山さんの声を聴きながら読む>
まずは先週に続いて、不倫について話し足りなかったことから……先週は「不倫する側の心理とは?」を、私が読んだ本をもとに紹介したのですが、今回は「不倫された側」のことをしゃべってみたいなと。
いや、もう、どう考えても傷つきますよね。裏切られたような気持ちになるし、「自分に魅力がないからじゃないか」と責めてしまったり……。こちらも先週と同じく、アメリカの心理療法士であるエスター・ペレルさんの『不倫と結婚』という本には、不倫された側がいかに回復していくのか、ということも書かれています。
まず、不倫された側に起こる心境の変化としては、
自尊心がひどく傷つく。自分の全てを否定されたような気持ちになっちゃうんですね。でも、不倫をされたからといって、その人の魅力が全てなくなるわけでもないし、その人に落ち度があるばかりでもないです。
「どれほど幸せな家庭でも不倫は起こりうる」とエスター・ペレルさんは書いています。その理由は先週もお話したように、「人が不倫のなかに発見する最も魅惑的なものは、
新しい相手ではなく、新しい自分自身である」からですね。
不倫を経験して、別れないカップルもたくさんいます。もちろん別れるのも選択のひとつです。どちらが善い、悪いではないんですけれども、どうやって自尊心を回復していくのかについては、事前に知っておきたいじゃないですか。
■自分を責めないこと。周りの人たちやプロの力も有効
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「不倫された側」の自尊心を回復させるためには、自分を責めることなく、「それでも私には魅力があるし、楽しいことがあるし、友人たちから評価もされている。
今まで積み重ねてきたものが、この不倫で全て崩れるわけはない」ということを、ちょっとずつでも頑張って思い出していくことが大事だと書かれています。
だけど、やっぱりシャレにならない傷つき方でしょうから、私は周りの人たちの力はもちろん、できれば
プロのカウンセラーの力も借りたほうが、心も修復されやすいと思いますね。
あと私としては信頼できる友人たちも大切かなって。で、そこで友人たちが絶対に守るべきことは、不倫された側に説教はしちゃダメ! ということ。「あんたが全然相手しなかったから……」とか、「あんな男は早く別れてよかった」とかもダメです。
ひたすら、聞く! 表に出してくれた傷を、ただ受け止める!
友達からそんなふうに言われてしまうと、不倫された側も腹が立ってきちゃうし、そこでまた気持ちが混乱してしまいます。それに、こういうのってお互い様じゃないですか。
友人同士は、弱ったときに助け合ってなんぼですから。
■不倫した側は「謝罪&謝罪」
そして、不倫してしまった側で、もし関係を続けたいのであれば、相手にはとにかく謝罪&謝罪&謝罪!
「自分が本当に悪かったし、あなたに魅力がないことには絶対ならない」と、何度も何度も語りかける。仮に激怒されても、それでも不倫は「してしまった方が悪い」から耐え続け、支えていくことしかできないです。
結局は、
不倫ってした方も傷つくんですよ。どこかで自分も「いい人間でありたい」みたいな思いもあるから、それを全うできていないことに、自分自身で激しく傷つく。いやいや、不倫しといてなんやねん! って話なんですけど。
だからこそ、不倫で新しい自分を発見するんじゃなくて、ゴルフでも、山登りでも、
違うことで見つけていきましょうよ。あるいは、「性依存かもしれない」と思ったら、カウンセリングのドアを叩く。
……と、2週にわたって不倫についての話でございました。