コミックエッセイ:親に整形させられた私が、母になる
「あんたに結婚は無理」…母の価値観が私に連鎖していく【親に整形させられた私が、母になる Vol.40】
私は当時、人からの誘いを断るのが苦手でした。
目上の人だったり、権力があったりといった人たちからの誘いを断るという選択肢はほぼありませんでした。
なぜなら、いままでの人生経験、そして母との関係から、
『相手の希望に従わない=嫌われてしまう』という考えが、私の中奥深くにこびりついていたのです。とくに嫌われたくない相手には、自分の気持ちなど無視して従おうとしてしまうのが、私の中ではもうあたり前の事でした。
でもそれは、母も同じだったのでしょう。
だから、職場の上司に勧められた習い事を、たとえ娘が嫌がろうと、断るという選択肢はなかった…
もうそれが当然の正しさとして認識していたのだと思います。
子育てには『世代間連鎖』という言葉がありますが、このように、価値観はごく自然に親子間で連鎖されていってしまいます─────
さらに母は幼いころから私に
『あんたは容姿が悪くて結婚はできないだろうから、1人でも生きて行けるような良い仕事に就くべき』
『独り身でいることは恥ずかしいことではなく、むしろ強いことだ』
と言っていました。
母は自分が1人だったので、それを自分自身で納得、肯定させたかった、というのもあるのかもしれません。
【容姿の悪い娘が将来どうなっても良いように、就職はしっかりしたところに就かせなければ】という親心もあったのでしょう。
しかし私には、【お前は結婚できないだろう】というメッセージが残り、周囲が結婚をするようになってそのメッセージがじわじわと、自分でも気づかないうちに私の自信を奪っていってしまっていたのです。
→次回に続く
※この物語は私の経験を基に、一部フィクションもまざっております。