コミックエッセイ:四方向へ散らないで
運動会や遠足のお弁当を作ると思い出す…トマトジュースにまつわる「ママの黒歴史」【四方向へ散らないで Vol.21】
こんにちは! 野原のんです。
かなり寒くなってきましたね。今年もあと少し…今年度はコロナで何から何まで例年とは変わってしまった一年でしたが、子どもたちの学校や保育園行事は秋以降少しずつ戻ってきて、今までとは違うスケジュールややり方にてんやわんやな毎日を過ごしています。
運動会や遠足でお弁当を作る機会が増えるこの季節になると、私は思い出すことがあるんです…。
そう、できることならあまり思い出したくない黒歴史的なことが…
■お弁当に詰めるフルーツが見当たらず…!?
あれは私が小学3年生の時。
その日は楽しみにしていた秋の遠足でした。
私の家は遠足の日の朝、早起きをしてテーブルに並べられたおかずを自分で選びながらお弁当箱へ詰めるシステムでした。
その日も嬉々としてお弁当を詰めていたのですが、ふとあることに気がついたのです。
お弁当の時は毎回何かしら用意されていたフルーツが…ない。
「フルーツがないよー!」と声をかけると、お母さんもすっかり忘れていたようで、
「今回の遠足はフルーツなしだ! ごめん!」と…
それでもどうしてもフルーツが諦められない私。
何かないかと冷蔵庫を漁るととあるものを発見しました!
それは…
トマトジュースは飲んだことがありませんでしたが、トマトは大好きだったので「これでいいか」とお弁当と一緒にリュックの中に詰め込み出発しました。
そして遠足を存分に楽しんで迎えたお昼時。
友だちとお弁当を食べ、みんなが各々デザートを出し始めたタイミングで、私もトマトジュースを取り出し、意気揚々とストローをさして思い切り一口目を吸い込んだ…
その瞬間
「まっっっっずい!!」
想像していた500倍はまずいその味に、思わずその場で盛大に咽せてせき込みました。
リュックの中でぬる〜くなったトマト100パーセントジュースは、もはやあのフレッシュでみずみずしいトマトの面影など微じんも感じられない驚きの激まずジュースへと変貌を遂げていたのです。
そもそもトマトジュースとはどんな味なのかすらわからないままに、あの生のトマトを想像して飲んだものですから、そのあまりのギャップを脳と体が処理しきれなかったのだと思います。
一緒にお弁当を食べていた友だちたちは、一様に驚いてフリーズする中、
担任の先生が大慌てで走り寄ってきて「大丈夫!? 何があった!?」と真剣に聞いてきたので
「トマトジュースがまずくて…」
と答えると、途端に大きなため息をつき、そしてこう言いました。