コミックエッセイ:親に整形させられた私が、母になる
「好きなことしたい」彼に打ち明けたら…予想外の答えが暗い過去を癒やしていく【親に整形させられた私が、母になる Vol.53】
少しずつ
『自分を縛り付けているのは自分自身』ということがわかってきました。
でも釘を溶かすことは、当時の私には、まだ自分だけの力ではできませんでした。
信頼している人、1番愛されたい人の力が必要でした。
もしかしたら多くの人は、この作業を幼少期に家族にやってもらっているのではないのかなと思っています。
たとえば学校などの外の世界で、レッテルや固定概念といった釘を打たれてしまっても、家族が自分を信じてくれれば溶かすことができる気がします。
さらに子どもの頃だったら頭も心も柔らかいから、釘は比較的簡単に溶けるかもしれない…。
こうして周囲に打ち込まれた窮屈な釘を「溶かすことができる」を経験できた子は、大人になってもし釘が刺さってしまったとしても、その経験を糧に自分一人の力で溶かしていけるのではないか。
でも、もしその経験がないままに大人になってしまったら…
その人は、1人ではなかなか溶かすことができない。
というよりも、そもそも溶かせるということすら知らず、ただただ耐え、新たな釘は増える一方で、どんどん生きづらくなっていく。
しかも大人になると心も固くなってしまうから、釘はガチガチに固まってしまう…。そんな風に私は思っています。
この頃の私は、まるで幼い子が親に甘えているような感覚でした。
もう一度、子ども時代を生き直している――そんな感じでした。
→次回に続く
※この物語は私の経験を基に、一部フィクションもまざっております。
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