出生前診断についての不安な心理描写も描かれておりますので、辛いと感じる方は閲覧をお控えください。また、出生前診断の是非を判断するための記事ではありません。
■前回のあらすじ
クアトロ検査で陽性が出ました。カットオフギリギリの数値のため、羊水検査に進むかどうか悩みます。
■羊水検査を躊躇する理由
羊水検査となればお金も時間もさらにかかってきます。そして、それ以上に私は羊水検査が怖かったのです。
なぜなら…、
羊水検査はお腹の上から太めの針を刺して、20cc程度の羊水を取ります。
まずこの時点で恐怖!
そしてこの羊水を培養して検査結果とします。3~4週間かかるらしいです。
針を刺すときに、赤ちゃんにも刺してしまったり、針を刺したところから羊水が漏れたり、感染症になったりするリスクもあるそうです。
流産を引き起こす可能性は1/300とも言われています。
最近は技術が発達して1/1000とも言われているそうですが、決して低い確率ではないと思います。
検索してみると、クアトロテストの結果の分母の数が2桁台から羊水検査に進んでいる方が多いという印象でした。
そして私はというと…
またしても同じところをグルグルと悩みまくるのでした…。
■身内に話してみると…
おろす…?
とっさにこう答えていました。こう思っていたはずでした。
この検査も「障害を早めに知ることによって生まれてきた時焦らないように備える」という使い方をするつもりはありませんでした。
でも、改めて言葉にされるとものすごくぐらついた自分がいました。
そうか、私はこの子を場合によってはおろそうとしている…。
その時すでに14~15週。
それなりに長い時間を一緒に過ごしています。この子もかなり「人」になってきていて…。
まだまだこんなに小さくて、エコーを通してしか存在を感じることはできないけれど、愛情はもちろんある。
簡単におろすなんて言えようか…。
そういえば、先生がちらっとこんなことを言っていた。
そうなのかもしれないけれど…。今はそうじゃなくて…。
もし、染色体異常の子が産まれてきたらどうする?
■そして悩んで出した結論は…
羊水検査には進まない。検査終了、妊娠継続! ということに決めました。
こう書くと、障害を持って生まれてきても育てると覚悟を決めたように思われるかもしれませんが、全然そんなことはありません。
羊水検査の結果が出たら、結果によってはおろすことも考えないといけないのですが、考えたくなかっただけなのです。
先々のことよりも、今お腹の中にいる命が大事でした。
しかし、先送りした問題は後々また姿を変えてやってくるのです…。
※本記事はあくまで筆者の体験談であり、症状を説明したり、医学的・科学的な根拠を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。
次回に続く(全57話)「出産の記録〜低酸素性虚血性脳症の娘と私」連載は12時更新!