失敗しない保育園選び!意外と気づかない事前チェック6つのポイント
子どもを育てながら、働こうと考えているママにとって、保育園選びは最重要課題。起きている時間のほとんどを、保育園で過ごすことになるわけだから、保育園は慎重に選びたいものですね。でも、しっかり見て選んだつもりでも、入園してから「ここを見ておけばよかった」と後悔したという声も。今回は、案外見過ごしがちな、保育園選びのポイントを紹介します。
「認可」「無認可」「認証」の違いは何?
初めての保活では、認可保育園、無認可保育園、認証保育園の違いがわからない場合も多いですよね。簡単に解説します。
認可保育園
認可保育園とは、国が定めた、広さや職員数、保育内容等の基準を満たしている施設。公立と私立に分けられますが、保育料は世帯収入に応じて決められているため、どちらも変わりません。
私立の場合には園服や指定の体操着等で、公立より費用がかかることがあります。
無認可保育園
無認可保育園とは、国の基準に満たない保育園のこと。基準に満たないからといって全てが良くないわけではなく、保育園によっては教育面を充実させていたり、独自のカリキュラムで人気を集めている園も存在します。「認可外」だからといって最初から選択肢から外すのは、もったいないかもしれません。
認証保育園
認証保育園は、都市部の事情にあわせて、東京都独自の基準を満たした施設。個人が経営する場合と、民間事業者が経営する場合で基準が分かれます。自治体によっては、認証保育園に通う場合に補助金が出る場合もあります。上記のような、保育園の種類にも注目しつつ、全体の条件をよく見比べて、保育園選びをしていきましょう。
立地や金銭面だけを重要視していませんか?
働くママにとって「駅から近いこと」「自分の給料に対して保育料ができるだけ安いこと」は大切な条件です。しかし、こればかりに気を取られてしまうと、もっと大事なことを見過ごしてしまうかもしれません。特に注意するべきは次の3つ。
1.園庭の有無や、外遊びの内容は?
成長期の子どもにとって外遊びはとても大事です。でも、駅近を重視すると、見過ごしてしまいがちなのが、まさにこの「外遊び」。都内で駅近の保育園だと、外遊びをさせる「園庭」がなかなか確保しにくいのです。園庭の代わりに屋上があったり、毎日近所の公園にお散歩に連れて行ってくれるなど、外遊びはしてくれますが、問題はその内容。
駅から近いし、毎日公園に連れて行ってくれるならいいかなと思っていたら、公園に滞在する時間が実はとても短かったり、お散歩のコースが危険だったりと、安心できない場合も。
実際の外遊びにさく時間数やコースについても、確認しておくことをおすすめします。逆に園庭がある場合でも、マンモス園の場合は、クラスごとに日替わりで園庭遊びをするため、毎日は出られない場合もあります。また、園庭で植物を育てるなどの活動も、園により異なるため、活動内容は確認しておくと、判断基準になるかもしれませんね。
2.ベビーカー置き場はありますか?
0歳クラス、1歳クラスの送迎では、ベビーカーを使用したいママもいますよね。そんなとき、園にベビーカー置き場がなかったらどうしますか?自宅が近ければ持って帰ってから通勤できますが、駅と反対側に自宅がある場合、持って帰るのは大変ですよね。園庭があって、一見敷地に余裕がありそうな園や普段は自転車送迎でも、ベビーカー置き場を用意していない園はとても多いです(特に都市部)。雨の日の送迎でベビーカーを使いたいときもあるでしょう。ベビーカー置き場の有無は確認しておきましょう。
3.朝のお支度、ママの負担はどうですか?
一般的に、認可園は認証園や無認可園と比べて、保育料は安いことが多いです。しかし、この料金の差はサービス面に出ることも。
たとえば、朝の登園時の支度。認可園の場合は、着替えやオムツ、ゴミ袋を指定の場所にセットすることも保護者の役目。朝8時から開門する園でも、実際に預けられるのは準備が終わった8時10分過ぎが最短、ということも。
その点、認証園や無認可園の中には、荷物一式を園の玄関で先生に手渡せば、そのまますぐに出勤できる保育園も少なくありません。
その他にも「おむつは1つずつ記名」「お昼寝布団にシーツをかける」など、保護者がどの程度の作業をするのかという点も、確認しておくべきですね。
見学時は育休中で「このくらいの作業は大したことない」と感じても、実際に働き出すと、案外負担を感じるものです。
4.アレルギー対応や、おやつの内容は?
アレルギーのある子どもにとって、給食のアレルギー対応は重大な問題ですよね。「アレルギーがあるならお弁当を持ってきてください」という園もあれば、細かく個人のアレルギーに対応してくれる園もあります。見学の時点で、対応の状態や、在園時にそうした子がいないかどうか、確認しておくと安心ですね。また、おやつについては、まだ1歳なのに市販の大人用のおせんべいを食べさせてしまう園もあれば、毎日手作りのおやつを提供してくれる園もあります。毎日のことで、子どもの味覚も左右されてしまうため、食事の内容には気をつけて、保育園を選びたいですよね。
5.テレビばかり見せていませんか?
園庭がない園や、園庭があっても外遊びの時間が少ない園の場合、保育園内でテレビを見せる習慣がないかどうかを確認しましょう。園によっては、夕方のお迎えの時間帯にテレビを見せている園もあるようです。一日のうちわずかな時間なら、仕方ないのかもしれませんが、長時間にわたって見せてしまう園ではないか、気になる方はチェックしてみましょう。
テレビに限らず、1日の生活スケジュールを、先生からざっくり聞いて記録しておくと、あとから「外遊びの時間」「食事にかける時間」など、お世話のカテゴリごとに見直すことができて、便利です。
6.急な残業や、有給休暇時に柔軟に対応してくれますか?
復職すると、パパもママも急な残業がある場合もありますよね。そんなときの対応も、園によって大きく異なります。
認可園は保育料が月額固定になっていて、延長保育は別途申し込むことになっているケースが多いです。延長保育を申し込んでいない場合でも、少々の遅れを大目に見てくれる園もありますが、基本的にはNG。延長保育は別料金で月額払いしているため、飛び込みで入ることはできないのです(延長保育の申請も高倍率の場合が多い)。
その点、認証園や無認可園では、日によって都度払いで延長保育してくれる園や、軽い夕食を提供してくれる園もあります。こうしたサービスは、急な残業のある保護者には助かりますよね。
保育園で夕食を食べてきてくれると、家に帰ってからのコミュニケーションタイムも、多く取ることができます。
また、有給休暇に対する考え方もそれぞれで「有給休暇なら基本的に子どもはお休みさせてください」という園と、「パパママの休養のために預けてもらって構いません」という園とに大きく分かれます。実際に働きだすと、有給休暇でも子どもを預けて休みたいと感じたり、家事を片付けたいと思うことも多いもの。そうしたときの保育園の対応は、実はとても重要なポイントなのです。
チェックリストを作成し、じっくり検討を
保育園選びは、パパママにとって、何が正解かがわかりにくい、難しい問題ですよね。しかし、2人でよく話し合い、重要と感じるポイントを、一目でわかるチェックリスト化して見学をすると、優先順位や、比較ポイントがわかりやすくなるかもしれません。子どもが毎日を過ごす、大切な居場所「保育園」。子どもが楽しく過ごせ、パパやママも安心して預けることができる園を、じっくり選んでいきたいですね。
<文・写真:フリーランス記者宮澤初恵>