夏休みに子どもと一緒に作ろう! わごはん&夏のおすすめレシピ
夏休みは時間を持て余して、ママも子どももグッタリ…。そんな時こそ、親子でお料理しませんか? あんふぁんでは、「かぞくのわごはん」をテーマに親子で〝食〞を楽しむ提案をしています。3人の子どもの母であり、親子料理教室を主宰している料理家・江口恵子さんに話を聞きました。
お話・料理 : 江口恵子さん
料理家、フードスタイリスト。親子の料理教室主宰のほか、雑誌や広告媒体でレシピ提案、テーブル回りのスタイリングなどを行っている。著書に「子どもといっしょに季節の食しごと&保存食」(マイナビ)。写真は江口さん親子。
■ ママが楽しむことが子どものお手伝いを長続きさせるコツ
お手伝いは、半年、1年と続けることで上達していきます。
けれど、やはり最初は手間が掛かるので、ママはつい「面倒くさい」と思ってしまいがちですよね。ですから私は、「ママが楽しめる範囲でやらせる」のがお手伝いの鉄則だと考えています。例えば、「レタスをちぎるだけ」「混ぜるだけ」など、子どもに手伝わせるのは工程の一部にしましょう。張り切って一から十までを一緒にやろうと思っても、子どもは必ず途中で飽きるし、自分もイライラします。
それから、期待をし過ぎないこと。「できなくて当然」くらいの気持ちでいれば、「意外に切るのが上手だな」など、良いところに目を向ける余裕が生まれるはず。自分にも子どもにも完璧を求め過ぎず、ママが「今日はお手伝いさせてみようかな」と思ったときがおすすめです。
■ 自分の子が喜びそうな作業を選ぼう
「何を手伝わせるのがいいですか?」という質問に、私はいつも「お子さんが喜びそうな作業をやらせてください」と答えています。
卵を割るのが上手、切り方が丁寧、盛り付けが芸術的など、どんな作業が得意かは個人差があるもの。好きな作業の方が子どもも笑顔でいられるし、ママもストレスフリーでいられますよね。普段遊んでいる様子から、お子さんが得意そうなこと・好きそうなことを見つけて、経験値に合った作業を選んであげてください。
■ 料理を通して人生に大切なことを学んでいける
以前、長女が料理をしていたとき、オムレツの卵が破けてしまったことがありました。「どうするかな?」と見ていたら、その上から新しい薄焼き卵を巻いたんです。「失敗しても、工夫次第で取り返せる」ことを、お手伝いの経験から学んでいたんですね。料理を通して学ぶことの中には、生きる上で大事なことがたくさん含まれています。実作業を伴っているからか、口であれこれ言うよりも、子どもも言葉の意味をより実感している気がします。
また、自分が作った料理を「おいしいね」と言って褒めてもらえることは、「みんなの役に立てた」と思える貴重な機会。子どもはとても誇らしい気持ちになれるものです。
今回紹介したレシピは、どれもうちの子どもたちが大好きなメニュー。味覚が敏感な子どもは、素材を生かした味付けの和食が好きです。また、油が少なく野菜が豊富、消化がいいなど、和食には健康に良い面がたくさんあります。この夏休みはぜひ、親子で作ったごはんを家族みんなで味わい、〝わごはん〞時間を過ごしてくださいね。
あんふぁん読者アンケート Q.お子さんに料理の手伝いをさせていますか?
「なぜさせていないのか」については下記の理由が多く挙がりました。
● 時間の余裕がない。
気持ちに余裕がない。
● キッチンが狭い。汚されるのがいや。
● 危ないから。
● 怒ってしまい楽しくできない。
● 子どもが料理に興味がない。
※2016年4月13日~5月10日、WEBアンケート、有効回答数1458人
夏のおすすめ親子レシピ1
■ 夏野菜の焼き浸し
[材料]大人2人+子ども2人分
ピーマン…4個
ナス…2本
カボチャ…1/4個
漬け汁(玉ネギのすりおろし…大さじ2、米酢…大さじ2、しょうゆ…大さじ2、みりん…大さじ4)
三つ葉…適量
①ピーマンは種を取りひと口サイズの乱切りに。ナスは薄切り、カボチャは3~4ミリ厚にスライスする。
②フライパンでサラダ油少々(分量外)を熱し、野菜を中火で焼く。両面に軽く焼き色が付き、柔らかくなるまで裏表をひっくり返す。
③玉ネギはすりおろし、漬け汁の調味料と混ぜる。
④②を③に浸して30分以上置く。
●こんなサポートを1
ナスは柔らかいので、テーブルナイフで切れます。「片方の手で野菜を押さえてね」と声を掛けて。
●こんなサポートを2
トングを使うと簡単。焼く最中に油はねしないよう、フライパンに残った油は大人が拭き取ります。
親子で楽しくできるコツ火や油、包丁を使うときは目配りを忘れずに
すぐフォローできるよう目配りを忘れずに。また「油がはねるから、野菜を入れるときは投げないで」「包丁が滑ると危ないから、手で野菜を押さえて」と、その都度教えてください。火は熱いもの・刃物は痛いものと伝えることで、子どもも「注意して扱わなくちゃいけないんだ」と分かります。
■ 冷やし茶碗蒸し
[材料]大人2人+子ども2人分
卵…3個
干しシイタケの戻し汁…450㏄
塩…小さじ1/2
具材(エビ…4尾、水で戻した干しシイタケ…4個、かまぼこ…4枚、鶏ささ身…2本)
調味料(しょうゆ…小さじ1、日本酒…小さじ1)
だし汁(かつお節でだしを取ったもの)…100㏄
かたくり粉…小さじ2
三つ葉…適量
①卵をボウルに割って溶きほぐす。シイタケの戻し汁と塩を加えて静かに混ぜ、ざるでこす。
②器に具材を均等に入れ、①の卵液を注ぐ。
③アルミホイルで器にふたをして、20~25分弱めの中火で蒸す。完全に冷めたら冷蔵庫で冷やす。
④調味料とだし汁を小鍋に入れて煮立たせ、沸騰したら水溶きかたくり粉でとろみをつける。十分冷めたら③にかけ、三つ葉を飾る。
●こんなサポートを
「硬いところでコンコンしてごらん」「殻をゆっくり開いて」と、言葉で手加減をガイドして。
親子で楽しくできるコツ「飽きちゃった~!」と言われたらあっさり続きを引き取って
自分からやりたがったのに「もうやらな~い!」と言うのは、うちの子どもたちも日常茶飯事。無理強いせず、続きを引き取りましょう。その時、「あなたは飽きっぽいんだから!」」と言いたくなる気持ちはぐっと我慢。嫌な気持ちをお互いに残さないのも、続けるコツです。
夏のおすすめ親子レシピ2
■ 冷や汁
[材料]大人2人+子ども2人分
アジの干物…1枚
みそ…大さじ2と1/2
練りゴマ…大さじ2
白ゴマ…大さじ1
だし汁(かつお節でだしを取ったもの)…500㏄
キュウリ…1本
ナス…1本
塩…小さじ1/2
大葉…5枚
氷…1カップ
ご飯…3~4膳
①焼いたアジの皮と骨を取り除き、身をほぐす。
②①をペースト状になるまですり鉢で混ぜ、みそ・練りゴマ・白ゴマを加えてさらにすり混ぜる。だし汁を加えてのばす。
③キュウリとナスは、それぞれビニール袋の上からすりこ木で叩き、食べやすい大きさに手で割る。
④ボウルに③を入れ、塩を振ったら全体をざっと混ぜて5分ほど置く。
軽く水気を絞って②に加える。食べる直前に千切りにした大葉と氷を加えて混ぜる。
⑤器にご飯を盛り、④をたっぷりかけて飾り用の大葉を散らす。
●こんなサポートを1
アジの身をほぐします。「身は左、骨と皮は右に置いてね」「小さい骨も取ってね」と声を掛けて。
●こんなサポートを2
材料を混ぜるときは、「動かないように、片手で鉢を押さえてね」と教えます。ぬれタオルを敷くとラクチン。
●こんなサポートを3
ビニールにキュウリを入れ、すりこ木で叩きます。初めは親が手を添えて、叩くときの力加減を教えます。
■ ラムネ
[材料]約50個分
材料A(粉砂糖…160g 、コーンスターチ…20g、食用の重曹…小さじ1)
材料B(食用のクエン酸…小さじ1/2、レモン汁…小さじ2、かき氷シロップ…小さじ2 ※味はお好みで)
①AとBの材料を、それぞれ別のボウルでよく混ぜる。
②BをAに回し入れ、満遍なく混ぜたらザルでふるう。
③計量スプーンの小さじに、手で②を詰める。逆さにしてまな板の上に出す。
④そのまま30分以上置いて乾燥させる。
●こんなサポートを1
粉をふるうときは、ザルに対して大きめのボウルを使えば、周囲が汚れにくくなります。●こんなサポートを2
スプーンを逆さにしたら「コンコンってしてごらん」「そっとスプーンを持ち上げて」と声掛けを。
親子で楽しくできるコツ実験気分で作業を子どもにお任せしても
ラムネ作りは実験のようで、子どもたちが大好きな作業。使うシロップの種類を変えれば、色とりどりのラムネを作れるので、うちでは思い思いの色で作って楽しんでいます。子どもの細い指はこの作業に向いているようで、私が作るより仕上がりがきれいなことも。
巻頭特集監修/西東桂子さん