黒は老け顔に見せる?似合う色を知るのがステキママへの第一歩
こんにちは、海保麻里子と申します。
私は現在、東京・南青山で似合う色やメイクアップ、似合う服の形や素材などをトータルでご提案するビューティーコンサルティングを行っています。
小さなお子さんを持つママの中には、「どうせ汚れるから汚れがめだたないように」「まわりのママから浮かない無難な色を」ということで、黒っぽい服を着ている方も多くいらっしゃいます。
でも実は、その黒があなたを「家事や育児に疲れたおばさん」に見せてしまっているかもしれません!
今回は、ステキでキレイなママになれる、自分に似合う「色」を見つけるヒントをお伝えします。
年齢を重ねると「黒」は似合わなくなる!?
実は、無難だからと着がちな黒は、万人に似合う色ではありません。色の「同化現象」と呼ばれる「洋服の色に顔色が近づいて見える現象」によって、似合わない方がお召しになると、いっきに顔色が暗く、疲れて老けているように見えてしまうという難しい色でもあるのです。
人にはそれぞれ生まれ持った肌や身体の色素によって似合う色、似合わない色というのがあります。10代や20代の若い頃はその差は小さく、本当は黒がそれほど似合う色ではない方でも、なんとなくスタイリッシュでかっこよく黒を着こなすことができました。
でも、大人になるとそうはいきません。黒に限らず暗い色は、顔の中の線を強調する性質を持っています。若い頃はお肌がピンと張っていて、しわやたるみといった線は顔の中には皆無。ですが、黒が本当は得意ではないタイプの大人の女性が黒を着ると、とたんに口元に伸びる法令線や目の下のクマの存在感が大きくなって、いっきにおばさんっぽく疲れた印象になってしまいます。
黒が似合う方は、髪や眉や瞳の色が真っ黒で、お顔立ちもはっきりとした強めの方。そうでないと顔が色に負けてしまいます。こういう特徴のある方が黒を着ると、スタイリッシュでステキなママを演出することができます。
逆に、黒が似合わないタイプの方は、肌や髪、瞳の色素が明るく、色白で茶色い髪や瞳の方が多いのです(瞳の色は虹彩と呼ばれる、カラーコンタクトをして色を変える部分、黒目の中心にある瞳孔の外側にあたる部分の色を見ます)。
そして、お顔立ちが優しい方。とくに目が丸かったり、小さかったり、ソフトな印象の方も黒が似合わない傾向にあります。
白などの明るい色で若々しくかわいいママに
こういった方たちが似合うのは、黒とは真逆の明るい色。明るい色には、今すぐに消してしまいたいシミやしわ、肝斑などを簡単にめだたなくしてくれる、という効果があります。とくに、「トップスに明るい色の服を着る」効果は絶大。
黒のように暗い色は顔の中の線や影をめだたせ、顔色を暗く見せるといいましたが、反対に明るい色には顔の中のこういったいらない線や影をレフ板のようにパァーッととばしてくれるという嬉しい効果があります。明るい色が似合うタイプの方が着ると、若々しく、キレイでかわいいママという印象を与えることができるのです。
色は、肉眼で見ることができる可視光と呼ばれる特定の波長範囲の光(虹の七色)を反射することにより、私たちの目に色として映っています。
明るい色ほどその光の反射率が高いのです。
とくに、私たちが見ることができるすべての色の中でもっとも明るい色である白は、黒とは反対にすべての波長の光を100%に近い値で反射しています。白のような明るい色を顔まわりに身につければ、反射された光が集まって、自然と顔色が明るく見えるというわけです。
基本的に明るい色を着れば顔色も一緒に明るくなり、暗い色を着れば顔色も暗くなります。よく年齢を重ねると暗い色より明るい色を着たほうがいいといわれるのは、明るい色が顔の中の影や色むらをとばしてくれるからです。
明るい色やパステル系を着ると色だけが浮いて、フェイスラインがぼんやりと膨らみ、何か物足りない印象になっていたら、それは似合っていないサイン。明るい色が似合う方は肌色も明るい方が多く、明るい色が似合わないタイプの方は肌色が暗めの方が多い傾向にあります。ご自身が明るい色が似合うタイプなのか、暗い色が似合うタイプなのか、いろいろ見比べて試してみてくださいね。
忙しいママだって、工夫次第で十分ステキにおしゃれできる!
女性なら誰もがいつまでも若々しく美しくありたいと思うものですよね。でも、子育てや家事、仕事で忙しくてなかなか自分のことに手がまわらない、自分のおしゃれにお金はかけられない……そんなママも多いでしょう。
でも、大丈夫。時間やお金がなくてもできるおしゃれはあります。おしゃれとは自分の知恵と努力と勇気次第。どんな環境にあってもあきらめずに自分を愛して手をかけてあげることだと思います。お子さんが小さいうちは走って追いかけないといけないシーンもあります。食べこぼしで洋服が汚れることもあります。
もちろんヒールは履けないし、洗濯ができて清潔感を保てる服が優先されます。
でも、今回ご紹介したように、あなたに似合う色をセレクトするだけで、時間がなくても、ヒールが履けなくても、もっとキレイなママに見せることは十分に可能です。さらに、色だけでなく、形や素材、サイズ感の中にできるだけ自分に似合う要素が多い服を身にまとえば、とびきりステキに見えるはずです。
あなたに本当に似合う色、形、素材の服に出会えるよりくわしい方法を、新刊『今まで着ていた服がなんだか急に似合わなくなってきた』にまとめました。ぜひ参考になさってくださいね。
限られた時間や予算でもおしゃれをすることは可能です。子育てで毎日忙しくても、あなたもぜひ装う楽しみを忘れないでくださいね。
文:/海保 麻里子(かいほ まりこ)
パーソナルカラー&骨格スタイル診断サロン「サロン・ド・ルミエール」代表。
百貨店、外資系アパレル(セリーヌ・ジャパン)を経てカラーコーディネーターに転身。ファッション業界での経験を活かし、現在青山と千葉のサロンにてトータルビューティーのカラーコンサルティングを行う。パーソナルカラー(似合う色)を切り口に顧客の魅力を最大限に引き出す「外見力アップ」の手法が評判に。日本全国はもとより海外からも多くの女性が来店し、診断実績は12,000名を超える。また、ホテルのブライダルシーンにおいてもトータルカラーコーディネートを手掛け、数多くのブライズビューティーをサポート。そのほかにも美容・ファッション業界でのカラーイベントやセミナー、社員研修なども幅広く実施。近著『今まで着ていた服がなんだか急に似合わなくなってきた』(サンマーク出版)も好評発売中。