フランス人に“ママ友”の概念がまったく理解されないワケ
当然のことながら日本とは事情がまったく違うフランス。そもそも”ママ友”の概念すらなかった!?
みなさんには“ママ友”がいますか?
実は筆者は“ママ友”が苦手。もちろん、とても気の合う仲良しもいるのですが、以前、保育園の行事と出張が重なってしまい、どうしても手伝うことができなかったことで“ママ友”グループから、母子ともに仲間はずれにされるという事件があり、“ママ友”と聞くとどうしても構えてしまうのです。思えば、赤ちゃんだった娘を初めて公園に連れていく“公園デビュー”のときもちょっと構えてしまった筆者。もともと人付き合いが苦手なのかもしれません。
そんな話を、20年来の友人マリーと話していたときのこと。マリーはフランス人で、パリ郊外で4人の子どもを育てるベテランママです。しかしいまいち話が通じない。
というのも、彼女には“ママ友”という概念がさっぱり理解できないようなのです。
「子ども同士が友だちだからって、親同士が友だちじゃなくてもいいんじゃない?」
“ママ友”とは、というところから話を始めて、その概念を「保育園や幼稚園、公園など子どもの通う施設を介して知り合う保護者、主にママさんのことで、友人のように親しく付き合うが、子どもの卒業などと同時に疎遠になっていくこともある人間関係」と説明しました。しかし彼女から見ると「それは“友人”とはちがうの?」とか、「気兼ねするなら会わなければいいのに?」などの疑問があるようで、「それはね…」とさらなる説明が必要に。
なぜ日本人が“ママ友”と仲良くするかというと、子育て中は情報交換や相互協力が必要な場面にたびたび直面するからで、そうしたときにスムーズにコトを運ぶために人間関係を損ねたくないという事情があります。
マリーによれば、フランスでも小学校や幼稚園の送り迎えでほかのママさん(ときにはパパということも)と顔を合わせることがあるそうですが、「あいさつはするけど、それ以上の話は特にしない」とのこと。互いに礼儀正しくはしており、話をする必要があればするとのこと。ときには感じの悪い人もいるそうですが、そういう人としいて付き合う必要はないと言います。
「子どもは子ども。大人の人間関係を持ち込むことはない」
でもママ友って、子ども同士が仲良しだったりすることからも発生します。つまり、たいして気が合わなくても子どもが遊びたがるからなんとなくいつも一緒にいる、といったケースもあります。