子ども優先、でも大人も過ごしやすいリビングのつくり方
のインテリアを楽しみたいですね。
全体と部分とのメリハリをつけよう
子どもスペースをリビングの中につくるなら、子どもの五感の成長との関係も頭に入れておきたい要素です。
人は、10歳頃までに視覚や触覚などの五感をしっかり使ってさまざまなことを体感していると、成長するにつれて豊かな感性が身に付くと言われています。特に視覚から得る情報は重要で、乳幼児期により多くの色や形・素材に触れた経験がある子どもは、成人後の色識別の能力が総じて高いことが分かっているのだとか。
子どものおもちゃがカラフルでさまざまな形になっているのは五感を刺激するため、というのはよく知られた話ですよね。
その理屈はインテリアにも当然当てはまります。
子どもが長い時間を過ごす子どもスペースは、いろんな色が楽しめるよう、棚・椅子やラグといったインテリアアイテムの色は自由に選びましょう。
その代わり、子どもスペースのあるリビング全体のインテリアは色の数を抑えてつくります。
カーテンやソファ、テーブルなどはできるだけ同じトーンの色に統一して、シンプルさを優先させます。
リビングを空間全体、子どもスペースを空間の一部分として、シンプルさとにぎやかさとのメリハリをつければ、互いのよさを引き立て合うことができますし、大人と子どもとがそれぞれのよさを一緒に楽しめるのです。
よく「ひとつの部屋の中で使える色は3色まで」という話を聞きますが、小さな子どもが過ごすスペースではなかなか難しいこと。ですから無理やり色の数を抑えるのではなく、「全体はシンプルにして子どもスペースは自由に色を使う」ということを意識すれば、雑然とした雰囲気になることは避けられますよ。
キッズインテリアのあるリビング空間は、子どもが小さいうちしか味わえない、いわば期間限定のもの。親子でめいっぱい楽しんでみてはいかがでしょうか。
<文・写真:フリーランス記者河野由美子>