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体験ルポ!自分の命は自分で守れるように!家庭で行う非常時訓練

あんふぁん
わが家の防災の日(家庭で行う防災訓練の日)は突然やってきます。そのタイミングは、備蓄している食品の消費期限が切れそうなとき。今年も日付切れ間近の備蓄食品の消費、現在の住まいでの避難経路確認も含めて、電気・ガス・水道を使わずに過ごす、“非常時シュミレーション訓練”を行いました。

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まずは“非常時訓練のルール”決め


まずは食卓に集まった娘たちと、ミーティング。
「これから実際にここで非常時の生活を体験するけれど、どんな約束にしたらいいかな?」と質問を投げてみました。
過去に東京で同じような訓練をしたことがある長女と次女からは「電気、ガス、水道を使わない」とすんなり言葉が出てきました。

話し合いの結果、使ってしまいそうな冷蔵庫、電気や水道には直接貼り紙を、スイッチにはマスキングテープでバツ×をすることになりました。これなら分かりやすい。

トイレは、面倒ですがお風呂の水をくんで、流すことにしました。これも経験しておくとおかないでは違います。

備蓄品と持ち出し品の日付チェック


次に、備蓄品と非常時持ちだし袋のチェック。
テーブルに出して、日付が切れそうな順から食卓へ並べていきます。これは大人がやってしまうのではなく、子どもと一緒に確認するのがポイント。何が入っているのか、何が必要なのかを、子どもたち自身に認識させることができるからです。消費期限が切れたものを“買い足しリスト”にし、後日一緒に買い出しもしました。

「5年間1度も使わずに消費期限切れを迎えるということは、ある意味幸せなこと、ありがたいことだよね」と娘たちと話しながら、東京で経験した東日本大震災がよみがえります。


夕飯は“アルファ化米”。カセットコンロで湯を沸かして、1人に1袋与えて作らせてみることにしました。中からスプーンとシリカゲルシートを出し、お湯を注いで、待つこと20分。「おいしいじゃん!」、久しぶりにアルファ化米を食べた娘たちの第一声でした。

しかしそのうち飽きてきて「うーん、もういらない」、「おいしくなくなってきた」と。これも想定内の反応です。物足りないのは分かっているけれど、本当に避難することになったら食べられない日もあるかもしれないので、夕食はこれで終わり。あとは日が暮れて、暗くなるのを待つのみです。

何もやることがないよ…


食べ終わった娘たちから「何もやることがない…ヒマ」という声が聞こえ始めました。

そうです、お風呂もシャワーもなし、テレビも見られないので何もやることがありません。あとは歯を磨いて眠るだけです。この日はランタンの明かりの元、カードゲームなどをして時間を過ごし、雑魚寝で眠りにつきました。

避難生活をすると、避難場所でこの状態が続くわけです。想像しただけでも疲れます。子どもたちからは「持ちだし袋に、トランプかUNOを入れておかない?」との提案があり、わが家の持ちだし袋にはトランプが追加されることになりました。

避難所・避難ルート確認も


これら以外に、わが家が一番やっておかねばならない大切なこと、それは“新しい土地での避難経路、避難場所の確認”です。
土地勘ゼロの娘たち、どこにどう逃げたらいいのか分かりません。翌朝、実際に町を歩いてみることにしました。

避難所となっている高台まで上がってみると、思っていたよりも低く海が近い。3年前に東日本大震災の被災地、女川地区や石巻を見てきた長女は「ここじゃ低くない?」と。確かにあの時の波の高さを考えると、ここでは安心できません。
「ここまで上がってきて海を見て、まずいなと思ったらこの裏山を上がって行きなさい」と伝え、裏山も歩きました。

最後に「もし母さんがいないときに、避難しなければならなくなっても、探さないでいいからね。自分たちだけで逃げて、何とか生き延びるんだよ。
生きていたら、探し出せるから」と、家族の約束事も確認し合い、非常時訓練を終えました。
「それぞれが逃げていると信じ、自分で自分の命を守ること」、この意識が大切なのです。

自分の命は自分で守る


たまたまこの体験をした数日後と1週間後に豪雨にみまわれた西日本。幸いわが家は被害がなく、実家の店の道が土砂崩れにあっただけで済みました。

後日、町内の災害訓練キャンプで聞いた専門家の講話によると、やはり一番大切なのは“自分の命は自分で守る”こと。「大人は子どもたちの命を守る義務があり、また子どもたちは大人がいなかったとしても、自分だけでも行動できるよう、準備、トレーニングをしておくことが大切」なのだと聞き、納得。

いつやってくるか分からない自然災害、日頃の備え、トレーニングは大切だと実感した2018年の夏でした。<文・写真:フリーランス記者林未香>

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