要領がいいようで意外と怖がり!「末っ子」を自信にあふれた子に育てるヒント
子どもの生まれ順によって、性格のすべてが決まるわけではありません。しかし、生まれ順はパパやママの子どもへの対応に影響することがあり、それによってある程度、子どもの行動パターンに予測できる部分も生じます。
生まれ順の「あるある」を心理カウンセラーの筆者が紹介する、第3回は「末っ子」。一家の一番年下として愛されやすい末っ子の、行動パターンと意外な落とし穴をご紹介します。
抜群に要領がいい愛されキャラ
末っ子の特徴のひとつは、やはりその要領のよさでしょう。何をしても褒められやすいし、上の子と違って親からの縛り付けや、理想の押しつけも軽くなりがちです。
末っ子が上の子と親とのやりとりを見ていれば、やって褒められること、そうでないことの見分けが自然とつけられるように。そのため好印象を得られる行動を取りやすくなります。
一方親から見ても、上の子に比べて余裕を持って育てることができる末っ子には、上の子にはダメと言っていたことを許したりと甘くなりがち。
結果として、末っ子は要領がよく、人から褒められる愛されキャラになりやすいようです。一見それはいいことづくめのようですが…。
失敗が怖い臆病な一面も
周囲から褒められることが多く、ちょっとくらいの失敗は「いいよいいよ」と許されて育つということは、裏を返せば、壁にぶつかることが少なく、怒られることに慣れないまま成長してしまいがち、ということでもあります。
そのため、末っ子は得てして、人から怒られることを恐れて、失敗をしないような安全な道を選びがちです。またそれだけではなく、末っ子に対してあたたかな気持ちでアドバイスをしてくれた人がいたとしても、割と簡単に「自分を否定された!嫌われた!」と悲観的になってしまうことも。
自我を探し歩く迷子になりがち
末っ子にとって、上の子の存在は非常に大きいものです。特に幼い頃はとりあえず、上の子のマネをすることで成長しようとします。
よい意味でも悪い意味でも、すぐそばにお手本があるのです。
ですから、少し大きくなって自我が発達してくると、「マネばかりではいけない、嫌だ」と思う気持ちとともに、マネをせずにどうやって上に行こうか、どうやって愛されようか、と考えるようになります。上のきょうだいのマネをするのは嫌なのに、自分で決めるのは自信がなくてなかなかできないため、悩むことも。
末っ子は、愛されキャラが長じてノリがよく、明るくて、他人を元気づけるようなキャラクターになりがちです。そのため、悩み、迷っていることに気づける人はあまり多くありません。でも、明るい笑顔の裏側にいつも迷いを隠してしまいがちであることは、親として知っておくといいかもしれませんね。
自分で決めさせる経験を数多く
親としての対応でおすすめなのは、上の子のマネをするのではなく、自分で物事を決めるという経験を数多くさせること。「お兄ちゃん(お姉ちゃん)と同じでなくていいのよ」と声をかけ、自分の価値観を確立する手助けをしてあげましょう。
同時に、長子や中間子と同様に挫折する経験、怒られる経験もさせてあげたいもの。上の子の時はどうだったかな…と考えてみましょう。自分で思うよりも少し厳しめの接し方をするくらいでちょうどいいかもしれません!
<文・写真:フリーランス記者あん茉莉安>