子どもがつらいことや、何らかの問題を抱えていたら、絶対に助けてあげたい、守ってあげたいと思っている親はたくさんいます。しかし現実には、子どもが親になかなか助けを求めないため、そのSOSが伝わりにくいことも。
今回は心理カウンセラーの筆者が、いざという時に子どもから「助けて!」というヘルプサインを出してもらうためのポイントを、3つピックアップしました。苦しいことやつらいことは少しでも早い段階で教えてほしいと願う親が、普段から気をつけておきたいこととは?
「まず子どもの主張を聞く」ように心がける
普段、子どもに接するとき、自分が言うべきことを言うことと、子どもの主張を聞くこと、どちらを優先していますか?
たとえば子どもがきょうだいケンカをしているとき、事情はともかくケンカをやめさせなくては…と、まず怒ってしまうのは、よくあることです。
しかし、事情も聞かれず、最初に抑え込まれた子どもは、「怒られた」ということに対して強い印象を持ってしまうため「ママやパパは私の話を聞いてくれない」と感じてしまいます。
1度だけではなく、いつもそうだったら?子どもは最初から、親に自分のことを話そうとはしなくなってしまうでしょう。
子どもを怒るときや注意をするときには、まず子どもの言い分を聞くことを心がけてください。もし先に親が言いたいことを言ってしまったとしても、あとから必ず、子どもが言いたいことは何だったのかを聞く時間をとるようにするとよいでしょう。
注意する声は、音量を控えめにする
ママやパパに怒っているつもりがなくても、大きな声で注意されたというだけで、子どもは「怒られた!」と感じます。大人が思っているよりも、子どもは大人の大声に対して威圧感を感じているものです。
まして怒るときに四六時中怒鳴っていては、子どもはそれを避けようとし始めます。
トラブルにひとりで立ち向かうことの恐怖よりも、トラブルを大人に打ち明けて怒鳴られたらどうしよう…と思うことが先にくるのです。
結果的に子どもが大人にトラブルを隠そうとしてしまい、大人が気づいた時には大ごとになっていることも…。
こうした事態を避けるためには、日常的に小さめの音量で子どもと対話をする必要があります。特に子どもを怒るときには音量を小さくするよう心がけて。大人が大声を上げることは、子どもの声を消し、遮ることを意味します。