子どもを伸ばすには褒めるのが一番!「無条件の褒め」してますか?
わがままばかり言う、約束を守らないなど、気づけば毎日わが子を叱ってばかり…。
そんなママたちに「子どもを伸ばすには褒めるのが一番!」という教育評論家の親野智可等さんが〝褒め育児〞について教えてくれました。
イラスト/柴田ケイコ
お話を聞いたのは:親野智可等さん(おやのちから)/教育評論家、「ほめ写プロジェクト」発起人
子育てしていると、思い通りに動いてくれない子どもにカリカリ、イライラ…なんてことは日常茶飯事ですよね。
この世に生を受けて数年の子どもたち、大人のようにできないのは分かっていても、思わず感情的に怒ったりしていませんか?
「子どもは褒められることで自信がつきます。それはすなわち自己肯定感が高まるということ」と話す親野さん。
自己肯定感の高い子どもは、さまざまなことを頑張れる、乗り越えられる子に成長するということが、多くの専門家の研究により明らかになっています。
そして、自分を認めてもらえた安心感から、他人にも優しくできるようになるとも言われています。
反対に自己肯定感が低いと「自分なんて存在しないほうがいい」などと考えて、生きるエネルギーが湧いてこなくなってしまうこともあるのだとか。
幼い子どもは、まだ自分のことがよく分かっていません。ですから、自分以外の人の言葉で自分のありようを認識します。
この時期に無条件に褒めてもらえた、例えば「生まれてきてくれてありがとう、大好きだよ」と存在を丸ごと受け入れる「褒め言葉」を掛けられてきた子は、自分の存在全てを肯定されているという確信がもてるようになります。そしてそれが、人としての土台をつくっていくのです。
褒めることで自己肯定感が高まることは理解できても、目の前にいる子どもは今日もとんでもないことをしている…。
そんな姿を見たら、思わず「なんでそんなことするの!?」と叱りたくなりますよね。
でも、こういった否定的な叱り方、特に「なんで○○なの!?」という疑問形の投げ掛けは、一番やってはいけないことだと親野さんは言います。
「これは、詰問することで子どもを困らせて溜飲を下げたいという意図が無意識のうちにあるからです。
褒めることは、親にとっても良い側面があります。誰かを褒めるということは、相手の良いところを見つけることです。
褒めることを繰り返し習慣付けることで、人・物事の良いところを見つけようというマインドが培われていきます。
これは子育て以外の日常生活においてもとても有効で、例えば混んでいるスーパーに行ったとき、「レジが混んでいて嫌だなあ」と思うより、「人気のあるスーパーで買い物ができて良かった」と思えた方が楽しいですよね。つまり、プラスの側面を見ることでプラス思考が身に付くというメリットがあるのです。
このように、褒めることは親子それぞれにとって良いことがたくさんあります。ぜひこれを機に、「褒め育児」を始めてみませんか。
● 「なんでこんな簡単なこともできないの?」など、ついつい言ってしまいます。そのせいで「自分はみんなよりできない子なんだ…」と自己評価の低い、自信のない子になってしまいました。(はな丸)
● お友達とトラブルになったとき、他の人の手前、子どもの言い分を聞く前に怒ったり注意したりしてしまいます。本当は状況を把握してから、必要であれば注意するべきなのに…。(Kokorita)
● 自分が「後でね~」と先延ばしにしておいて、いざ後になって言われると、「もう時間ないよ、分かるでしょ!」などと逆切れしてしまいます。(@ひかな)
● あれやりなさい、これやりなさい、と注意はするのに、子どもがそれをきちんとできたとき、褒めてあげるのを忘れてしまったこと。
● 「〇〇ちゃんはできるのに」とお友達と比べてしまったり、「〇〇しないと、〇〇してあげないよ」など条件付きで叱ってしまうことがあります。(すまいる41)
●「条件付きの褒め」の前に、たくさんの「無条件褒め」を
親が子どもを褒めるときは、何かを頑張った・やるべきことがちゃんとできた・できなかったことができるようになった、などの場合が多いでしょう。
これらのケースで褒めるのはもちろん大切。ただ、このように「〇〇を頑張った」ことでしか褒められないと、子どもは「頑張らないと褒められない、認めてもらえない」と思い込んでしまうことも。
こういった条件付きの褒めだけではなく、相手を無条件に肯定する「あなたが大好き」という言葉をたくさん贈ると、子どもの自己肯定感が大いに高まります。
●否定的な言葉はこんなふうに言い換えて
子どものためを思えばこその言葉も、言い方次第では悪影響を与えることも。否定形で話しがちな人は、特に注意しましょう。
・「頑張らなきゃダメだよ」→「頑張ろう」だけでOK
・「靴は靴箱に入れなきゃダメでしょ」→「靴箱にしまうとスッキリするね」
・「今から用意しておかないと、明日の朝間に合わないよ」→「今から用意しておけば、明日の朝は余裕だね」
どのケースも、後者のように言われた方がすんなり受け入れられます。
●やりたいことを、やらせてあげよう
危険なことと他人に迷惑を掛けること以外は、子どもがやりたがっていることはできるだけやらせてあげましょう。
「そんなことやっちゃダメ」ではなく、「やってみよう!あ、上手にできたね、すごいね」と良いところを褒めてあげて。
自己肯定感アップと共に、物事を主体的に考える思考も身に付きます。
●子どもができないときはやってあげよう
例えば、どんなに注意してもお片づけができない…。そんなときは、いっそママが片づけてしまいましょう。
叱ってばかりだと「片付けのできない僕のこと、ママは嫌いなんだ」と、自己肯定感が下がってしまいます。
ママが片づけてあげることで、自分ができないことをやってくれているママのことをもっと好きになりますし、片づいた状態は子どもの頭にインプットされます。
「やってあげると自立できない」という話をよく耳にしますが、最新の心理学では「叱り続けるより、気持ちよくやってあげた方がかえって自立できる」と言われています。
● 「ステキな絵を見せてくれてありがとう」「できると信じていたよ」など、褒める+私の気持ちを伝えるようにしています。(*macchi*)
● 「一番早くできたね」ではなく、「最後までよくできたね!」など、褒めるときは周りと比べないようにしています。(こりんぬ)
● 子どもが得意げに報告してきたときは、たくさん褒めて話を聞く。聞く時間がないときでも、笑顔だけは忘れないようにしています。(さとーゆき)
● 元保育士のママ友は、自分の子だけでなく他の子のことも肯定的に長所をたくさん見つけてくれます。短所だと思っていたわが子の特徴も長所として捉えてくれていて、目からうろこでした。短所にばかり注目し、言葉をつなげてしまう自分を反省しました。(☆☆れい☆☆)
● しっかり子どもの目を見て褒める。
親野さんが小学校教師をしていた頃、家庭訪問などを通じ「自己肯定感の高い子どもの家庭には、写真を貼られていることが多い」という気付きを得たそうです。
“子どもが頑張ったときの写真や、大切な家族の写真を家の中に飾る”その行為そのものが、子どもの存在を認めることにつながり、写真を見ながら自然な会話の中で褒めることができます。
「ほめ写プロジェクト」は、写真を貼って褒めることで、子どもの自己肯定感を向上させよう。
そして、その効果を客観的・科学的に研究し、結果を広く発信しようという取り組みです。
そんなママたちに「子どもを伸ばすには褒めるのが一番!」という教育評論家の親野智可等さんが〝褒め育児〞について教えてくれました。
イラスト/柴田ケイコ
お話を聞いたのは:親野智可等さん(おやのちから)/教育評論家、「ほめ写プロジェクト」発起人
〝無条件の褒め〞が人としての土台をつくる
子育てしていると、思い通りに動いてくれない子どもにカリカリ、イライラ…なんてことは日常茶飯事ですよね。
この世に生を受けて数年の子どもたち、大人のようにできないのは分かっていても、思わず感情的に怒ったりしていませんか?
「子どもは褒められることで自信がつきます。それはすなわち自己肯定感が高まるということ」と話す親野さん。
自己肯定感の高い子どもは、さまざまなことを頑張れる、乗り越えられる子に成長するということが、多くの専門家の研究により明らかになっています。
そして、自分を認めてもらえた安心感から、他人にも優しくできるようになるとも言われています。
反対に自己肯定感が低いと「自分なんて存在しないほうがいい」などと考えて、生きるエネルギーが湧いてこなくなってしまうこともあるのだとか。
幼い子どもは、まだ自分のことがよく分かっていません。ですから、自分以外の人の言葉で自分のありようを認識します。
この時期に無条件に褒めてもらえた、例えば「生まれてきてくれてありがとう、大好きだよ」と存在を丸ごと受け入れる「褒め言葉」を掛けられてきた子は、自分の存在全てを肯定されているという確信がもてるようになります。そしてそれが、人としての土台をつくっていくのです。
否定的な言葉掛けは親のストレスを子どもに背負わせる行為
褒めることで自己肯定感が高まることは理解できても、目の前にいる子どもは今日もとんでもないことをしている…。
そんな姿を見たら、思わず「なんでそんなことするの!?」と叱りたくなりますよね。
でも、こういった否定的な叱り方、特に「なんで○○なの!?」という疑問形の投げ掛けは、一番やってはいけないことだと親野さんは言います。
「これは、詰問することで子どもを困らせて溜飲を下げたいという意図が無意識のうちにあるからです。
さらに悪いのは、そうやって親が発散したストレスを子どもに背負わせてしまうこと。また、疑問形で叱るとき、子どもに回答を求めている親はあまりいません。逆に答えると〝口答えしないの!〞なんて親に言われてしまうことも。つまり子どもは〝答えなくちゃいけない・答えてもまた叱られる〞というストレスまで抱え込むことになるのです」
子どもを褒めることで親にも好影響が
褒めることは、親にとっても良い側面があります。誰かを褒めるということは、相手の良いところを見つけることです。
褒めることを繰り返し習慣付けることで、人・物事の良いところを見つけようというマインドが培われていきます。
これは子育て以外の日常生活においてもとても有効で、例えば混んでいるスーパーに行ったとき、「レジが混んでいて嫌だなあ」と思うより、「人気のあるスーパーで買い物ができて良かった」と思えた方が楽しいですよね。つまり、プラスの側面を見ることでプラス思考が身に付くというメリットがあるのです。
このように、褒めることは親子それぞれにとって良いことがたくさんあります。ぜひこれを機に、「褒め育児」を始めてみませんか。
ママの“しまった!”エピソード
● 「なんでこんな簡単なこともできないの?」など、ついつい言ってしまいます。そのせいで「自分はみんなよりできない子なんだ…」と自己評価の低い、自信のない子になってしまいました。(はな丸)
● お友達とトラブルになったとき、他の人の手前、子どもの言い分を聞く前に怒ったり注意したりしてしまいます。本当は状況を把握してから、必要であれば注意するべきなのに…。(Kokorita)
● 自分が「後でね~」と先延ばしにしておいて、いざ後になって言われると、「もう時間ないよ、分かるでしょ!」などと逆切れしてしまいます。(@ひかな)
● あれやりなさい、これやりなさい、と注意はするのに、子どもがそれをきちんとできたとき、褒めてあげるのを忘れてしまったこと。
(あっこまんちゃん)
● 「〇〇ちゃんはできるのに」とお友達と比べてしまったり、「〇〇しないと、〇〇してあげないよ」など条件付きで叱ってしまうことがあります。(すまいる41)
褒めたいけれど、褒めるところが見つからない!でも、待って。視点を変えれば褒めることは簡単です。今すぐできる〝褒めテク〞を親野さんに聞きました
●「条件付きの褒め」の前に、たくさんの「無条件褒め」を
親が子どもを褒めるときは、何かを頑張った・やるべきことがちゃんとできた・できなかったことができるようになった、などの場合が多いでしょう。
これらのケースで褒めるのはもちろん大切。ただ、このように「〇〇を頑張った」ことでしか褒められないと、子どもは「頑張らないと褒められない、認めてもらえない」と思い込んでしまうことも。
こういった条件付きの褒めだけではなく、相手を無条件に肯定する「あなたが大好き」という言葉をたくさん贈ると、子どもの自己肯定感が大いに高まります。
●否定的な言葉はこんなふうに言い換えて
子どものためを思えばこその言葉も、言い方次第では悪影響を与えることも。否定形で話しがちな人は、特に注意しましょう。
・「頑張らなきゃダメだよ」→「頑張ろう」だけでOK
・「靴は靴箱に入れなきゃダメでしょ」→「靴箱にしまうとスッキリするね」
・「今から用意しておかないと、明日の朝間に合わないよ」→「今から用意しておけば、明日の朝は余裕だね」
どのケースも、後者のように言われた方がすんなり受け入れられます。
●やりたいことを、やらせてあげよう
危険なことと他人に迷惑を掛けること以外は、子どもがやりたがっていることはできるだけやらせてあげましょう。
「そんなことやっちゃダメ」ではなく、「やってみよう!あ、上手にできたね、すごいね」と良いところを褒めてあげて。
自己肯定感アップと共に、物事を主体的に考える思考も身に付きます。
●子どもができないときはやってあげよう
例えば、どんなに注意してもお片づけができない…。そんなときは、いっそママが片づけてしまいましょう。
叱ってばかりだと「片付けのできない僕のこと、ママは嫌いなんだ」と、自己肯定感が下がってしまいます。
ママが片づけてあげることで、自分ができないことをやってくれているママのことをもっと好きになりますし、片づいた状態は子どもの頭にインプットされます。
「やってあげると自立できない」という話をよく耳にしますが、最新の心理学では「叱り続けるより、気持ちよくやってあげた方がかえって自立できる」と言われています。
● 「ステキな絵を見せてくれてありがとう」「できると信じていたよ」など、褒める+私の気持ちを伝えるようにしています。(*macchi*)
● 「一番早くできたね」ではなく、「最後までよくできたね!」など、褒めるときは周りと比べないようにしています。(こりんぬ)
● 子どもが得意げに報告してきたときは、たくさん褒めて話を聞く。聞く時間がないときでも、笑顔だけは忘れないようにしています。(さとーゆき)
● 元保育士のママ友は、自分の子だけでなく他の子のことも肯定的に長所をたくさん見つけてくれます。短所だと思っていたわが子の特徴も長所として捉えてくれていて、目からうろこでした。短所にばかり注目し、言葉をつなげてしまう自分を反省しました。(☆☆れい☆☆)
● しっかり子どもの目を見て褒める。
きょうだいがいるときは、一人のときを狙ってその子だけに向けた褒め方をして、特別感を出しています。(よつばりんご)
あんふぁんも応援親野さんが発起人「ほめ写プロジェクト」知ってますか?
親野さんが小学校教師をしていた頃、家庭訪問などを通じ「自己肯定感の高い子どもの家庭には、写真を貼られていることが多い」という気付きを得たそうです。
“子どもが頑張ったときの写真や、大切な家族の写真を家の中に飾る”その行為そのものが、子どもの存在を認めることにつながり、写真を見ながら自然な会話の中で褒めることができます。
「ほめ写プロジェクト」は、写真を貼って褒めることで、子どもの自己肯定感を向上させよう。
そして、その効果を客観的・科学的に研究し、結果を広く発信しようという取り組みです。