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自分の気持ちが言えない子。裏側にある理由と親ができること

あんふぁん
自分の気持ちが言えない子。裏側にある理由と親ができること


子どもは素直で、正直に何でも話をするものと思う人も多いかもしれません。でも中には、友達や先生に対して言いたいことを伝えられない子どももいます。
友達に上手に「イヤだ、やめて」を伝えられなかったり、本当は一緒に遊びたくても言い出せずにひとりになってしまったり…。そんなわが子に対して、親はどう関わればよいのでしょうか。
今回は心理カウンセラーの筆者が、言いたいことをなかなか言えない子どもへの親の関わり方についてお話しします。

言いたいことが言えない理由1:すぐ諦めてしまうから


友だちに言いたいことがあるのに、すぐ諦めてしまう子がいます。「どうせ言っても聞いてくれない」といったような考え方をしがちな子です。
わが家の次女がこのタイプなのですが、お友達と遊びたいという気持ちはあっても、「この前、イヤだって言われたから…」と誘うのを諦めてしまいます。

本人は遊びたくないわけではありません。しかし、前回イヤだと言われた時の悲しい気持ちが忘れられないのです。
「またイヤだと言われるのは辛いし、どうせ断られるかもしれない」と思うと、誘うことが面倒くさいという心理も働きます。このようなことは、いつも仲良くしている子との間にもよく起こるようです。子ども自信喪失してしまう、よくあるシーンです。

こんな時は、大人が「この前はそうだったかもしれないけれど、今回は違うかもしれないよ。また誘ってみてごらん」という声がけをしてみてはどうでしょうか。
子どもが小さいうちは、ほんの気まぐれで遊ぶのを断られてしまうこともあります。
この前ダメだったけれど、今回誘って「いいよ」と言われればそれが成功体験となり、その次も誘えるようになる子は多いのです。
緩やかな、強制しない言葉がけで、諦めない気持ちを伝えたいですね。

言いたいことが言えない理由2:ケンカになるのがイヤだから


トラブルを避けたいあまりに、自分の言いたいことを言わない子もいます。
友達から時折、嫌がらせをされてしまうという小学校低学年の子に出会ったことがあります。彼女は基本的に、その子に言い返さないようにしているようで、理由を聞くと「ケンカになるのがイヤだ」とのことでした。

このような子は、自分が相手から言われてイヤな気持ちになったという現実をしっかりと見つめることに加えて、相手に同じような気分を味わわせたくないという優しさをもっている芯の強い子どもであることが多いようです。したがって、大人からは、その子の優しさを認めてあげる声がけが最も重要です。
ケンカをしたくないという気持ちも、優しさからくることが多いので、その優しさを長所として認めてあげることで、子どもとしても自信をもつことができます。

たとえば「〇〇ちゃんは優しいね、そんなあなたが大好きだよ」と声がけしてみましょう。

優しさを認められることによって、自己肯定感が育ち、相手の子から多少きつい言葉をかけられても、忍耐強く、柔軟にかわすことができるようになっていきます。
ただし「つらい時は大人に相談したり、相手の子に辛いと伝えることも必要だよ」とも、日頃から伝えておくとよいでしょう。

言いたいことが言えない理由3:どう言葉にしていいかわからないから


言葉で感情や状況を表現することが難しいと感じる子どもの中には、相手を叩くなど力に訴える子もいます。
そういう子どもに、友達とトラブルがあったときに話を聞こうとしても、何も言わずに黙っているということも。
わが家の長女が小学校の低学年だった頃の友達に、とても口下手な子がいました。普段は決して物静かな子ではありません。ふざける時はよくしゃべり、大騒ぎをするのに、ケンカになってお互いの気持ちを相手に話す時や、先生に事情を話すべき時などになると黙りこくってしまうのです。


このような子どもに多いのが、気持ちを表現したり、理解したりするような語彙力が足りないということ。絵本などをあまり読んだ経験がないということも多いようです。
その場合には、語彙力を伸ばし、同時に様々なシチュエーションの本を通して疑似体験できるよう、意識して本を読むのがおすすめです。
また、日頃から大人が気持ちをゆっくりと聞いてあげることも非常に効果的です。
最初は、今何を考えているのか、どう思っているのか、聞いてもなかなか言葉にはなりません。しかし時間をかけて待ってあげましょう。身近な大人に気持ちを聞いてもらえることは、自分の気持ちを上手に表現できるようになる重要なステップです。

子どものペースを大切にゆったり見守って


いずれの場合も大切なのは、子どものペースや、子ども自身の気持ちです。

本人から言葉が出てこないうちに大人が急かしても、子どもにとってはますます言いたいことが言えない状況になってしまうので、注意したいですね。大人はあくまでも促すだけに留め、子どもから言葉が出てくるようになるのを助けてあげる意識を持ちましょう。継続していくうちに、子ども自身で「言うべきだ」と判断したことを言葉にできるようになりますよ。

<文・写真:ライターあん茉莉安>

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